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避難の“妨げ”になる「正常性バイアス」って? 「すぐに落ち着く」「深刻になるはずない」が命を落とすことも 日頃からの“自覚”を【福井】
梅雨の時期は、災害が起きる危険が高まります。心理学で「正常性バイアス」という言葉があるのをご存知でしょうか。命を左右しかねない、この正常性バイアスについて専門家に聞きました。

正常性バイアスについて話を聞いたのは、仁愛大学心理学科の山本雅代准教授です。
Q.正常性バイアスとは―
A.日常で異常事態が起こったときに「これも正常な範囲だ」と思ってしまう心理状況のこと。誰もが陥る可能性があり、大きな地震があっても「これは違うんだ、逃げなくても正常な範囲だ」と誤った見方になってしまう。
Q.なぜ、無意識に「自分は大丈夫」と判断してしまうのか―
A.ひとつひとつ反応していたら精神が持たないので、そういうふうに自分を落ち着かせているといえる。本当は逃げないといけないのに「いつもの通りちょっとした雨だろう」とか「ちょっとした地震だろう」と判断し「このまま家にいたほうがよい」と考えてしまう傾向がある。
災害時になると、この心理がデメリットとして働きます。身の危険が迫っているにもかかわらず「すぐに落ち着くだろう」 「深刻な事態になるはずがない」「避難しなくても大丈夫」と思い込み、助かる命が助からない、被害が大きくなってしまう、ということがあるのです。つまり、正常性バイアスが避難を遅らせるのです。

ウェザーニューズが実施したアンケートでは、2018年7月に発生した西日本豪雨で、実際に避難指示などが発表された地域の方に「避難しましたか」と聞いたところ、避難すべき状況にあったにもかかわらず「避難しなかった」と回答した人が84%にも上りました。
「なぜ避難しなかったのか」という質問に対して、この84%のうち44%の人が、「自分の周辺は大丈夫だと思った」と回答していて、正常性バイアスが働いた可能性が考えられます。
人々に避難行動のスイッチが入るのは、「危機感」「切迫感」「恐怖心」を感じたときです。災害を自分の目で確認できないと、現実味を感じないのです。
緊急時に正常性バイアスが働かないようにするにはどうしたらよいのか、仁愛大学心理学科の山本雅代准教授は「まずは、(正常性バイアスという)状況に陥ることを知ってもらい、起こらないように自分に言い聞かせたり、バイアスが働いていないかを感じたりすることが大切。外を直視するとか、近所の人に声をかけるとか、そういうことで客観視することが必要。携帯で災害状況を見たり、ウェブカメラをチェックしたりすることで川や道路、雪の様子を事前に把握してもらいたい」と話します。
日頃から、危険な場合は逃げるという訓練しておく、家族で話し合っておくことが大切だということです。
“正常性バイアスがある”ということを自覚しておくことが、備えのひとつになります。
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