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黄砂が飛来 健康には悪影響も…実は、海にとっては“栄養源” プランクトンの光合成が進み温暖化抑制に一役か
13日、福井県内には黄砂の飛来が予想されます。それほど濃いものではありませんが、北日本から北陸地方に黄砂が予想され、大気が霞む可能性があり注意が必要です。その影響や今後の見通しについて、村田光広気象予報士の解説です。
なぜ春に黄砂の飛来が多い?

黄砂とは、中国やモンゴルなど大陸の砂漠の砂が風に乗って運ばれるもので、発生しやすい季節は春です。2010年から2019年までの10年間に福井で観測された黄砂日数を月別に表したものでは、3月から5月と春が最も多くなっています。
これは、冬の間、凍っていた地面がとけて乾燥し、強風が吹くと砂が舞上がりやすくなるからです。植物が育っていないこの時期は、地面がむき出しになっていることも理由です。
健康への影響と対策

私たちが、黄砂を吸い込むと健康への悪影響があります。環境省によると、ぜんそくや肺炎などの呼吸器疾患、また近年は脳梗塞や心筋梗塞を発症・入院といった循環器疾患の報告もあるようです。さらに、目のかゆみや結膜炎といったアレルギー症状もあります。
黄砂による影響を防ぐには、飛来予測を常に把握するようにしてください。外出時はマスクを着用しましょう。さらに、濃度の濃い黄砂が予測されている場合は外出をできるだけ控えて吸入量を減らすようにしましょう。
黄砂が海の栄養源に

私たちの生活においては悪いことばかりなのですが、一方で注目されていることもあります。海洋研究開発機構の主任研究員・長島佳菜さんによりますと、黄砂が海の生態系を保つ栄養の供給源となっているというのです。
Q.黄砂による健康被害が注目されているが、プラスの面はー
長島さん:「黄砂が供給する鉄などが海洋のケイソウなどの植物プランクトンにとって必要な栄養素を供給していることが数十年前から分かっている。鉄は全部溶け出すわけではなく、ごく一部が生物が利用しやすい鉄として海洋中に溶ける。その溶解した鉄を使って植物プランクトンの光合成が進む」
Q.つまり植物プランクトンの栄養素になるということかー
長島さん:「リンや窒素など主要な栄養素が前提として必要だが、北西太平洋の特に亜寒帯地域では主要な栄養素はたっぷりあるのに、鉄が不足していて光合成が抑制されている。そのような海域に黄砂が飛んでくることで不足している鉄を供給し植物プランクトンが繁茂しやすくなる。普段、黄砂のプラスの面は注目されないが、海の生態系にとってはプラスの役割を果たしている」
近年は減少傾向も対策は必須

黄砂の近年の傾向についても長島さんに聞きました。
Q.近年の黄砂の量、傾向は―
長島さん「温暖化によって砂漠化が進み、たくさん飛んでくる気がするが、現状増えているということはなく、むしろ長期的には若干減少している傾向。温暖化によって黄砂の発生地域で低気圧が発生しにくくなって、強風が吹かないから黄砂が発生しにくくなっているという説がある」
近年、黄砂は減少傾向ですが、身近に迫る地球温暖化や気候変動にどう関わるのか、今後さらに研究が必要だということでした。
ただ日常生活においては、黄砂の影響を防ぐ必要があります。体調に不安のある人や高齢者は慎重に行動することが大切です。
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