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福井市副市長「地方公務員法違反」容疑で書類送検 取り調べで容疑認めるも取材には「利益誘導したつもりない」
福井市が公募した介護サービス事業者の情報を漏らしたとして、地方公務員法違反の疑いで小寺正樹副市長が4日、書類送検されました。また、元福井市職員で社会福祉法人の70代男性職員も書類送検されました。
書類送検されたのは福井市古市1丁目の小寺正樹副市長(59)です。
福井地検によりますと、小寺副市長は福祉部長だった2022年6月下旬、市が公募した地域密着型サービス事業者に申し込んだ事業者の情報を、社会福祉法人の男性職員に漏らしたとされています。
捜査関係者によりますと小寺副市長は、この男性職員と電話やメールなどで何度もやり取りを繰り返し、他に応募があった事業者のほか、法人の応募書類の添削などを行っていたということです。
警察の調べに対し、容疑を認める旨の供述をしているということですが、小寺副市長は「これまでに個別の個人や事業所、団体に何かしら偏った利益を誘導するような仕事の仕方をしてきたつもりはない。現時点ではしっかりと目の前の課題に対応していく。福井市の大きな課題がたくさん目の前にあるので、それにしっかり取り組んでいくことが今できること」と話しています。
小寺副市長の書類送検を受けて西行市長は「実は深刻に受け止めていなかった。事情聴取を受けていることが分かってから、本人にどうですかと聞いた時には、法に触れることはありませんと言われ、そうだったらいいと思った。正直言って驚いた」と話しました。
また、県警は小寺副市長に情報を教えるようそそのかしたとして、福井市の元職員で鯖江市在住、社会福祉法人の70代の男性職員も地方公務員法違反容疑で書類送検しました。
福井市によりますと、公募には6つの事業者から申し込みがありましたが、この社会福祉法人が運営する福祉施設が選ばれ、市から3600万円の補助を受けたということです。
また、2023年12月に行われた福井市長選挙をめぐっては、西行市長の個人演説会などに参加するよう市職員に働きかけたとして、2024年1月、公職選挙法違反の疑いで福井市企業局の前田和宏元企業管理者が書類送検されました。
4日書類送検された元市職員の男性は、この事件でも書類送検されていて、捜査関係者によりますと、今回の情報漏洩事件は市長選の違反をめぐる捜査の中で浮上したということです。
福井市の特別職の相次ぐ検挙に西行市長は「検察に送られてそれがどうなっていくかは分からない。事実関係をよく理解していないので、任命責任となると、いまは考えが及んでいない。まずは驚いて事実を受け止めているとしか言いようがない。送検については、非常に残念だと思うし、市民に心配をかけて非常に申し訳ない」と話しました。
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