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灯油価格も値上がりし農家は“悲鳴” 暖房十分に使えず“イチゴの生育”に影響 手は尽くすも出るのはため息【福井】
政府補助金の減額で、灯油もガソリンと同じように値上げされています。この灯油の値上げに、収穫シーズンを迎えたイチゴ農家も頭を抱えています。
南越前町にある観光農園を運営・管理する川崎武彦さんは、11品種のイチゴ1万5000株を栽培し、1月から6月までは「イチゴ摘み」体験も実施しています。
イチゴ栽培のために重要な、細やかな温度管理には暖房が欠かせません。その燃料は「灯油」です。
川崎さんは「イチゴは、日中は25度くらいまで温度を上げ、夜は5度くらいまで下げて、昼と夜の温度差をつけておいしさを出すので、曇った日になると温度が上がらず暖房を使っている。雪が降った日だと灯油を1日120リットルほど使用している」と話します。
川崎さんによると、12月には前年同時期に比べて灯油価格が2割アップし、16日の値上がりによって約3割上がる見通しだということです。節約せざるを得ず、十分に暖房を使えない状態が続いているといいます。
「ハウス内の温度を25度くらいまで上げたいが、値段を考えると上げられず悩んでいる…」と話し、イチゴの生育にも影響が出ています。
12月の日射量が少なかったことに加え、灯油の使用を抑えるために暖房の温度を低く設定していることでイチゴの生育が遅れ、「イチゴ摘み体験」も、1月2日の開始時は客の受け入れを通常の4分の1に縮小しました。
今週からようやく通常に戻り、本格的な営業が始められそうだという矢先、再び灯油を節約せざるを得なくなり「ミツバチの活動が鈍くなり、受粉が十分にできなくて形が悪くなる」という事態に。農園では保温カーテンなどを使って灯油の節約をしつつ、温度を保つ工夫をしています。
川崎さんは「人件費も上がり、資材なども値上がりした状況なので、申し訳ないが体験料を値上げした」と、ため息交じりに話していました。
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