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「おかず1品になってしまう」買い物客から“悲鳴” 止まらない価格高騰 スーパーは知恵を絞り四苦八苦【福井】
止まらない物価高騰。特に野菜は猛暑や雨が少なかった影響で値上がりが続いています。先週の野菜の平均価格は▼ダイコン、レタスが平年の約1.7倍▼ハクサイが平年の約2.5倍▼キャベツに至っては平年の約3.3倍と、高値になっています。福井県内のスーパーの現状と対策を取材しました。
プラント‐3清水店・泉田店長は「特に野菜が高くなっていて、葉物は前年の1.5倍くらいの価格になっている。牛乳や豆腐などの白物と呼ばれるものは野菜よりは比較的上がりにくくはなっているが、鶏卵は抑えられず値上がりしたままになっている」と話します。
農林水産省によりますと、1月上旬のキャベツの平均価格は1キロあたり534円と、平年の約3倍で、鶏卵の価格も鳥インフルエンザの感染拡大に伴い上がり始めました。「JA全農たまご」によりますと、1月6日のMサイズの卸売価格は1キロ225円でしたが、21日時点で260円まで上昇しています。
止まらない物価高について買い物客は―
「値上がりで大変やわ。キャベツがえらい高いで、丸ごと買わずに四分の一とか半分とか少しずつ買う」
「コメも高いけどやっぱり野菜やね。どうなってしまうんだろうって思って…、いつも3品使っているのが2品になって…今に1品になるんじゃないかなって言っている」
「毎月買う金額が決まっていたのに、それより5000円ほどは上がったね。1万円買っていたら1万5000円」
物価高騰の中でお得に買い物ができる方法はないか店に尋ねたところ、泉田店長は「野菜が高いので、プラントではイレギュラーズという、傷が付いたり、玉が小さかったりする訳あり商品を安く提供している。いまは特に人気」と話してくれました。
取材した日は、通常のキャベツは一玉538円で販売していましたが、イレギュラーズのコーナーは322円と約6割の値段でした。日によってラインナップはかわりますが、約20種類の食品を並べているということです。
この他「容量の大きなサイズで購入すると安く購入してもらえる。通常ならグラム100円が、大きいサイズならグラム90円など、たくさん買ってもらえる客に安く提供して、客と会社のウィンウィンな関係を目指している」と話します。
他店でも対策に取り組んでいます。県民生協では、野菜高騰対策として2分の1サイズ、4分の1サイズなど、カット野菜に力を入れています。さまざまな大きさに切り分けられ、割安感のある少量サイズで販売されています。また、県民生協の組合員限定で、希望に応じたサイズに店内で切り分けるサービスも行われています。
県民生協・ハーツ恐竜店の友田明宏店長は「農産作業室といって、入荷された野菜を加工する作業室で作業をしている。野菜の値段が高くなっているので、少量パックが非常に売れている。通常よりも2倍の量を確保するように心がけている」と話します。
この日は、店舗入り口にあるコーナーに「雹害(ひょうがい)キャベツ」が並び、198円で販売されました。「見栄えは悪いが、少し剥いたらまだまだ食べられるキャベツ。かなり高くなっているので少しでもお値打ち価格で提供できたら」と安さの秘密を教えてくれました。キャベツの店頭価格の平均は553円と平年の3倍の高値となっていることもあり、この198円のキャベツには買い物客の手が伸びます。こうしたお得なキャベツにも、ざく切りサイズを用意しています。
客のニーズに応えようと最大限の知恵を絞る店舗側。県民生協の「ハーツ」では、不定期で規格外の野菜販売会を1月25日、26日に全店で開き、市場価格の3割から最大半額で購入することができるということです。
止まらない物価の高騰。少しでも安い価格で提供できるようスーパーの経営努力は、この先も続きそうです。
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