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豪雪地帯に春呼ぶ奇祭「勝山左義長まつり」 おどけた仕草の浮き太鼓で寒さ吹き飛ばす 【福井】
2025.02.24 19:20
春を呼ぶ奇祭「勝山左義長まつり」が2日間にわたって開かれ、23日夜のどんど焼きで幕を下ろしました。勝山市街地の各地区の櫓では、厳しい寒さを吹き飛ばすような熱いお囃子が繰り広げられました。

22日正午、勝山市上郡区の一番太鼓で幕を開けた勝山左義長まつり。市内12の地区に設けられた櫓では、じゅばん姿の住民たちがお囃子に合わせておどけた仕草で太鼓をたたく「浮き太鼓」を披露しました。
厳しい冬に耐えた人々が春を前に浮かれた様子を表現したとされる左義長まつりは、350年ほどの歴史を誇ります。雪が舞う中、県内外から大勢の見物客が訪れ春を呼ぶ音色を楽しみました。
見物客は「とってもすてき!毎年一番太鼓を見に歩くことにしている」「雪で寒いけど、音楽に合わせて体を動かしていたら暖かくなってくる」と楽しんでいました。

最終日には、各地区の櫓では祭りの終わりを惜しむように左義長ばやしに浮かれていました。「蝶よ花よ~」で始まる「だいづる」は左義長ばやしの代表曲で、櫓ごとにテンポが異なり、演奏には独自の趣があります。
午後8時には、祭りのクライマックスである「どんど焼き」が始まりました。各地区の代表がたいまつを手に市街地を練り歩き、九頭竜川河川敷に到着。14の御神体に一斉に火をつけると、大きな炎が立ち上がり、冬の終わりを告げるように夜空を赤く染めていました。

火が収まると、見物客は竹の先に餅を刺した「炎餅」を残り火で焼いて食べます。願い事を尋ねると「グッドヘルス(健康)」「家族みんなの健康」などと無病息災を願っていました。
大雪の影響で来場者は2024年より2万人少ない7万人となりましたが、雪を溶かすような熱い左義長ばやしに多くの人たちが心浮かれた2日間でした。
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