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備蓄米放出は「期待半分、不安半分」販売店は先を見通せず 価格や供給は安定?懐疑的にみる卸売業者も【福井】
政府の備蓄米の入札が10日に始まり、3月下旬には店頭に並ぶ見通しですが、現在もコメの販売価格は上がり続けています。福井県内のスーパーや卸売業者を取材すると、備蓄米が放出で供給や価格の安定につながるかどうかについては、懐疑的な声が聞かれました。
福井市内にあるAコープやしろ店の山上剛副店長は「令和6年産の新米が供給されて(秋から)2月いっぱいは価格に変わりはなかったが、供給量が少なくなってきたことで3月1日からは卸業業者が値上げし全体的に1割ほど販売価格がアップした」と話します。
Aコープやしろ店では仕入れ価格の値上げに伴い、3月から一部のコメの販売価格を値上げしました。また、コメ全体の在庫は充分にあるものの「ハナエチゼン」など比較的安い品種はすでに品薄状態。家計へのさらなる負担増加は避けられません。
買い物客に備蓄米の放出について聞くと「安くなるのはいいと思う」と歓迎する声の一報で「(備蓄米は)値段によるがコシヒカリなら買うかな。全然知らない品種なら買わない」と慎重な声も。また「値段が下がったら嬉しいけど、農家さんのことを考えたら上がっていても仕方ないのかな」と農家の収入を心配する声や「家でコメを作っている。テレビで茶碗1杯40円と聞いた。今の値段でもパンを買うよりは安いと思う。でも5キロで4000円という価格は、もう少し安くても良いかな」と様々な意見が聞かれました。
備蓄米放出によるコメ価格の抑制に期待の声が上がっているようですが、店は備蓄米の放出について期待半分、不安半分だといます。
Aコープやしろ店の山上副店長は「備蓄米を客に提供できると良いと思うが、現時点ではどういう状況になるか分からない」とします。販売量や値付けについても「3月20日前後には見えてくると思うが、今のところは全然分からない」と話します。
一方で、備蓄米放出の恩恵を受けられない業者もいます。コメの集荷から卸業まで行う福井市の福井精米は、今回の政府による備蓄米の入札に参加できませんでした。福井精米の樋田光生社長は「参加したかったが、国と相談した結果、資格がないと言われて、今回入札に参加できなかった。数量の要件を満たしていたがそれ以外の要件で参加できないと言われた」と話します。
必要な要件の一つである「仕入れ量」の基準は満たしていたものの、「集荷業者のみ」という要件について卸業も行っている福井精米は国から「資格なし」と判断されたということです。
低価格帯のコメを求める取引先の需要に応えたかった所ですが、入札に参加できなかったことで福井精米が今後、備蓄米を取引先に卸すことは難しくなりました。樋田社長は備蓄米を取り扱う可能性について「ほぼほぼ無い。備蓄米を取り扱う(=入札に参加する)業者と一切取引がないので、備蓄米が入ってくる予定は今のところない。県内向けだけに販売するのであれば足りる見通しだが、去年同様、他県から買いに来る人が最近は非常に増えているので、このような形で販売が進めば、危うさを相当感じている」と危機感を募らせます。
福井精米が抱える県産米は、2024年は県外業者が購入する量も多くなっていて、これが今後増えるということになれば不足もありうると不安を感じています。
そして樋田社長は、備蓄米放出の目的である「価格抑制」効果について「県内は限定的ではないか」と指摘します。「全国レベルだと正直分からないが、福井県に限っては、元々福井の価格は相当安い部類なので(備蓄米放出しても)おそらく下がらない」と予想します。
備蓄米の放出でコメ価格の高騰が本当に一服するのか。備蓄米がスーパーの店頭などに並ぶのは、3月下旬以降になる見通しです。
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