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夏も怖い「ヒートショック」 脳梗塞は夏が最多 エアコンは外気との“気温差”に注意して設定し水分補給をしっかりと
記録的な猛暑で気を付けたいのが、急激な気温差が原因で生じる「ヒートショック」です。ヒートショックというと冬のイメージですが、実は夏も注意が必要。医師に対策を聞きました。
◆国内で年間2万人がヒートショックで死亡

今野真帆アナウンサー:
「連日暑い日が続いていますが、皆さんは冷房の温度設定を何度にしていますか?」
この時期、冷房の温度をあまりに低く設定していると、血圧の急変を招く「夏型ヒートショック」を引き起こすかもしれません。福井県済生会病院・循環器内科の前野孝治医師に話を聞きました。
「国内で年間2万人弱がヒートショックで亡くなっている」と前野医師。このヒートショックは夏にも起きるといいます。「エアコンの設定温度を21度など低くした場合、(外との)急激な温度差が生まれて血圧が急上昇し、脳卒中や心筋梗塞、心臓発作を起こす」といいます。
その温度差について前野医師は「気温差が10度以上あるところを出入りすると危険だといわれている」とします。
◆脳梗塞は夏に多発

例えば、暑い屋外から涼しい室内へ入った場合、血管が急激に収縮し、血圧が急上昇します。反対に涼しい室内から暑い屋外、あるいはエアコンが効いていない部屋へと移動した際には血管が拡張し、血圧が急降下。暑い場所と極端に涼しい場所の行き来を繰り返すことで血圧が乱高下し、特に脳と心臓に大きな負担がかかるのです。
夏型ヒートショックの症状として最も特徴的なのが脳梗塞です。「暑くて脱水気味になっているので、血の塊ができやすい状態になっている。さらに気温が高いと、血圧が下がっているので血流が悪くなり、脳梗塞を発症しやすい。血圧が落ち着く季節の割には、ヒートショックの発生者数が多い」と前野医師は説明します。
◆冷房の使用や入浴に注意が必要

夏型ヒートショックが起こりやすい主な条件は次の通りです。
▼屋内と屋外の気温差が10度以上ある場合(同じ屋内でもトイレや浴室、廊下など冷房のついていない場所は要注意)
▼冷房で冷えた体のまま40度以上のお風呂に入る場合(飲酒をした状態での入浴や、帰宅後すぐに冷たいシャワーを浴びることは控える)
▼65歳以上の高齢者や高血圧・糖尿病といった生活習慣病がある人

8月から9月にかけての気温の見通しについて、村田光広気象予報士は「最新の3カ月予報では、9月10月も気温が平年よりも高いと予想されていて、9月の上旬あたりまで猛暑日が観測されるのではないか」とします。
夏型ヒートショックを起こさないためにも▼エアコンの設定温度は外気との差を5度~7度以内にする▼こまめに水分補給をする▼アルコールの過剰摂取を控える、といったことが必要です。
エアコンによる快適さの裏に潜むリスク。“温度差”を意識した生活で命を守る夏にしましょう。
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