「越前鳥の子紙」がユネスコ無形文化遺産に追加登録へ　黄みを帯びた卵の殻のような色合い、滑らかな紙肌が特徴　福井｜ニュース｜福井テレビ

文化庁は11日、ユネスコの無形文化遺産に登録されている和紙の手すき技術に、越前和紙の一つ「越前鳥の子紙」が追加で登録される見通しだと発表しました。
　
越前鳥の子紙は、越前市に伝承されている和紙の技術で、黄みを帯びた卵の殻のような色合いと滑らかで光沢のある質感が特徴です。繊維の短い雁皮（がんぴ）を均一な紙にすきあげる高度な技術が評価されました。
　
和紙の手すき技術は、2014年に岐阜県の「本美濃紙」など3件がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、「越前和紙」には技術を継承する団体がないことなどから、選定されませんでした。
　　
そのため、産地では「越前鳥の子紙」の保存会を設立し、伝統技術の研究や保存に取り組んだことが実を結びました。

保存会の柳瀬晴夫会長は「私たち保存会にとって大きな一歩。これまでの活動が国際的に評価されたことに深い感慨を覚える」とコメントしました。

また、越前市の担当者は「登録が認められれば国際的に注目され産地のブランド力が高まり、観光客の増加や輸出を含めた販路拡大が期待できる」と話しました。
　　
正式登録は12月9日からインドで開催されるユネスコ政府間委員会で決定される見通しです。
　　
日本の無形文化遺産は、現在「和食」や「伝統的酒造り」など23件が登録されていますが、福井独自の文化や技術が無形文化遺産に登録されるのは、今回が初めてです。