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豊かな水が育む「文殊山しいたけ」 徹底した湿度・温度管理で美しく食感豊かに 造園業者の挑戦 福井
福井市内の造園業者が、地元の豊かな自然を活かしシイタケ栽培に挑戦しています。地域活性化を目指し、新規ビジネスに挑戦する姿を追いました。

福井市と鯖江市にまたがる文殊山のふもとにある福井市大村町。ここで造園業を営む創業3年目の「マメタ」は、パートを含む20人の従業員で、地域密着を基本とし庭づくりやフェンス、駐車場など住宅の周辺工事を手がけています。
さらに、新規ビジネスをスタートさせました。
マメタの藤田啓志社長:
「シイタケ栽培を始めた。元々、農業に興味があり食に携わりたいと思っていて、約2年前に販売を始めた」
地域密着のスタイルから、文殊山の豊富な自然を生かすことを考えてシイタケの栽培を始めました。

シイタケ栽培を担当する農業部長の赤松主馬さんに、作業を見せてもらいました。
約70平方メートルあるビニールハウスでは、全体の収量の3分の1を生産しています。オガクズや米ぬかなど栄養源を固めたブロックにきのこ菌を繁殖させる菌床栽培を行っています。
「鮮度のいい状態をそのまま届けたい」という思いから毎朝7時から収穫しているといいます。
栽培を始めた3年前は10個程度の菌床が、いまでは1万個以上に。他にも、鯖江市内の空き家も活用して計3カ所で生産していて、1日に約30キロのシイタケを安定して出荷できるようになりました。
赤松さんは「比較的軸が太く、傘が肉厚で裏側はきゅっとしまっているのが特徴。温度や湿度を管理することで見た目がきれいなシイタケが取れる」といいます。

他社のシイタケと差別化を図るため、栽培施設に空調を取り付け室内の温度が10度以上になるようにしているほか、文殊山の豊かな水を使って湿度が70%から90%になるよう徹底して管理。
見た目が美しく食感豊かなシイタケ作りを目指しています。
さらに、毎日2時間かけてこんな工夫も―
「芽かき、間引きといって小さい芽を間引いている。大変で時間がかかるけど大事な作業なので意識してやっている」(赤松さん)
一般的には、100グラム120円程で販売されるシイタケですが、こちらで収穫したシイタケは「文殊山しいたけ」のブランド名で100グラム約170円で販売しています。
文殊山の登山口にある無人販売所や、県内約40のスーパーや直売所、ECサイトで取り扱っています。

一方、まだまだ認知度が低いことが課題ですが、嬉しい出来事もありました。
福井市内のフレンチレストラン「ル・ジャルダン」の料理長が1月、「文殊山しいたけ」を使ったメニューで料理コンクールの日本一に輝き、飲食業界でも一目置かれる食材となりつつあります。
藤田啓志代表は「まだまだ始めたばかりだが、これからもっと販路拡大して多くの人に食べてもらいたいし、シイタケを通して地域の魅力が広がっていけば。もっともっとこの地域を盛り上げていきたい」と話します。
造園業者が手がける「文殊山しいたけ」。地域活性化を担う挑戦は、始まったばかりです。
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