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ミャンマーの難民描く映画「ロストランド」 福井出身のプロデューサー渡邉一孝さんに映画の魅力と地元への思いを聞く
4月に全国公開されるミャンマーの難民の実情を描いた映画「ロストランド」。公開を前に国内外の映画祭ではすでに高い評価を得ています。この作品のプロデューサーを
務めているのが福井市出身の渡邉一孝さんです。世界を舞台に映画製作に没頭する一方で、渡邉さんはふるさとへの思いも強く、県内で芸術文化振興のための取り組みも行っています。世界と福井、二つの舞台で精力的に活動する渡邉さんの思いに迫りました。
ミャンマー「ロヒンギャ難民」の実情描く
世界で最も迫害されている民族とも言われるミャンマーの「ロヒンギャ難民」。4月に全国公開される映画「ロストランド」は、ロヒンギャのきょうだいが家族との再会を願い、遠く離れたマレーシアへと旅立つ、難民の実情を描いた物語です。
ベネチア国際映画祭をはじめとする世界8ヵ国の映画祭で合わせて14の賞を受賞しています。
偶然出会ったロヒンギャの姉弟を抜擢
プロデューサーを務めたのは福井市出身の渡邉一孝さんです。
「映画がスクリーンに映っている要素には、人、場所、機材、ある条件でしか撮れないものであればそれをコーディネートする。画面の中に何が起きるかということの責任は監督、画面の外の責任はプロデューサーが持っている」
今も続いている難民問題。現地の人に演じてもらうことにこだわりました。主演には、渡邉さんが取材を重ねる中で、偶然出会ったロヒンギャの姉弟を抜擢しました。
「ある学校でインタビューをしていたら男の子が歩き回っていて、インタビューの対象ではなかったけど目を引かれた。彼の家に行きお姉ちゃんにも会ったらすごく魅力だねとなったので脚本を少し書き換えて、彼らに当てた話になるように改編した」
地元福井では芸術文化活動を支援
世界を飛び回り、映画づくりに全霊を注ぐ一方、渡邉さんは地元福井で芸術文化活動を支援する「アーツカウンシル」のディレクターも務めています。
アーツカウンシルはいわば“芸術文化のコンサルタント”。芸術文化事業への支援を行う独立機関で、行政支援を必要とする活動に対して内容や資金面のアドバイスを行ったりします。それぞれの活動が、発展しながら地域に定着していくよう継続的に支えます。
「(事業の)実行にあたっての悩みや継続していくための課題を一緒に考える『伴走支援』をしている。単にお金を出すだけでなく一緒に相談しながら未来に向かっていく」
映画プロデューサーとして活動してきたからこそ、活動する人々の気持ちに寄り添えることが渡邉さんの強みです。
「助成金をもらってきたので、それを渡して伴走していくという立場で、福井に関わっていけたら僕も視野が広がるし、福井にも文化的な貢献もできるのかなと」
アイデアが生まれたときにすぐに動ける土壌を作りたいという渡邉さん。生まれ育った福井の芸術文化の振興のために、映画作りで培ってきたグローバルな視点が生かされます。
福井での公開初日5月2日に渡邉さんが舞台挨拶
渡邉さんは、福井には「何かをしたい」という熱意を持っている人が多いと感じていて、自分の経験を生かして、その人たちの「熱意」を「行動」につなげられる土壌を作りたい。さらに、その土壌を使って渡邉さん自身も福井で映画を作りたいとも話していました。
渡邉さんは「“何かやりたい”という思いを持った人は多い一方で、その一歩を後押しする環境には伸びしろがある」とも感じているそうです。
映画「ロストランド」は4月24日に全国公開され、福井では5月2日公開です。福井での公開初日には、福井メトロ劇場で渡邉さんが舞台挨拶をする予定です。
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