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災害のように降りかかる特殊詐欺 不安から逃れたい…心理につけ込む“ニセ警察官”の手口を解説 心に留めるべき2つの行動マニュアル
福井県内でも特殊詐欺被害が後を絶ちません。県内では数日前にもニセ警察官の指示を受けた坂井市の男性が3200万円相当の金の延べ棒を用意し、それをだまし取られる被害が発覚しました。
警察官をかたり金をだまし取る、こうした“ニセ警察詐欺”の被害が最近増えてきていて、中には手口を知りながら被害に遭う人もいます。
毎日のようにテレビや新聞などで事件が報道されているにも関わらずなぜ人は騙されるのか。そこには、人間が生まれつき持っている「本能」が関係していました。
街の人に、警察から急に電話かかってきたらどう思うかを尋ねると―
「何もやってなくてもびっくりする、というか、どっきりする。普段は見抜けるかもしれないけど、実際その場になったら意外と騙されるかもしれない」
「多分大丈夫だと思うけど…分からない…いざとなると」
電話で警察をかたり「あなたに容疑がかかっている」と告げ、無実を証明する資金調査の名目で金をだまし取る“ニセ警察詐欺”。その被害が後を絶たない現状に、心理学の専門家は警鐘を鳴らします。
仁愛大学心理学部心理学科・森本文人准教授:
「被害にあった人が弱いとか、そういう問題ではなく、正常な状態を利用しているので、そのことに関してまず自覚を持ってほしい。自分は大丈夫だというのが一番ダメ」
“大丈夫”だからこそ被害にあうのです。
県警の調べでは、警察官をかたる手口で被害に遭った人の約3割が、手口を知りながらもだまされてしまったということです。
では、犯人はどのように被害者の判断力を鈍らせるのでしょうか。
仁愛大学心理学部心理学科・森本文人准教授:
「安定した状態でいたいのに、そこから逸脱しているから、どうしても通常に戻りたいという気持ちが働きやすい。そういう状態では相手に乗せられて操られやすい」
犯人は容疑がかかっていると脅し、被害者を不安に陥れます。早く元の状態に戻りたいという焦りが、被害者の判断力を鈍らせるのです。
厄介なポイントは他にも。
犯人はビデオ通話で偽物の警察手帳や逮捕状を見せ、被害者を信用させます。犯人と対面しないため、被害者は違和感に気付きにくくなるのです。
仁愛大学心理学部心理学科・森本文人准教授:
「人は相手の表情や場の雰囲気など、いわゆる“空気”を自然と読みながら相手に対して色々な判断をしている。限定された情報の中では、自分に不利益を被るような場面ではないという方に判断が傾きやすい」
人はストレスから心を守るため「自分は大丈夫」と思い込む性質があります。犯人から得られる情報が少ないと、なおさら異常事態だという判断につながらず、詐欺だと気付きにくくなるのです。
しかし、県警本部生活安全部管理官の真杉順子警視は「警察は、電話であなたに容疑がかかっているということは絶対に言わない。SNSや電話で現金の出金や振り込みを指示することもないので、警察が電話でこういったワードを言ったときには詐欺だと思ってほしい」と強調します。
詐欺はいわば災害のようなもの。その危機が降りかかると冷静さを失うからこそ、事前の対策が重要です。
仁愛大学心理学部心理学科・森本文人准教授:
「詐欺電話がかかってきたときの自分は、当てにできないところが強い。それに引っかかることがあったら“こうする”という行動のレパートリーを用意することが重要」
災害対策と同じように、被害に遭わないための行動マニュアルを立てることが大切です。
犯人は「不安から逃れたい」「正常に戻りたい」という人の心理を巧みに利用しています。この「逃れたい」「戻りたい」という心理はいわば人間の本能なので、意識・心掛けだけでは対抗できません。 だからこそ、次の2点を「行動マニュアル」としてしっかり頭に入れておきましょう。
▼知らない番号からの電話に出ない
▼「容疑がかかっている」と言われたり、金の話が出たりしたら迷わず電話を切る
だまし取られたお金は、ほとんどの場合は戻ってきません。人生を狂わす、まさに「大災害」です。
いざ自分の身に降りかかってきた際には、反射的に行動できるよう、日頃から心に留めておきましょう。
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