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熱中症による労災が年々増加…医薬品メーカーとタッグ組む企業の対策 “働きやすい環境”が人材確保にも 【地域で防ぐ!福井の熱中症予防最前線】
熱中症が社会問題となる中、福井テレビでは、暑さが本格化する夏にかけて、地域や企業など様々な分野での予防への取り組みをシリーズでお伝えします。
初回は「企業の熱中症対策」について。年々増えている熱中症による労災への備えは、従業員の命を守るだけでなく会社の業績にも大きく影響します。経済活動に欠かすことのできない熱中症対策の最前線を取材しました。
創立1950年(昭和25年)の福井市にある企業「福井環境事業」は、福井市や坂井市などで家庭から出るごみの収集や廃プラスチックのリサイクルなど、環境整備に関する事業を幅広く手掛けています。
従業員数は約250人。日々、ごみの収集や工場での仕分けといった業務に当たっています。衛生面から、現場では長袖・長ズボンで作業しなければなりません。特に夏場は過酷な環境です。
そのため会社では4年前から医薬品メーカーの大塚製薬と提携して、熱中症対策に取り組んでいます。
5月中旬、大塚製薬からの荷物を積んだトラックが会社に到着しました。運ばれてきたのは健康飲料です。
毎年、本格的な夏を前に従業員全員に行き渡る分の健康飲料を購入しています。
安達弘幸社長:
「一度にバランスよく水分・塩分・糖分を摂れるというのが最大のメリット」
この日はさっそく、本社から離れた場所にある事業所の従業員らが飲料を持ち帰っていきました。
従業員:
「500mLを毎日1~2本は必ず飲む」
「自腹となると、水などがメインになると思う」
「(スポーツドリンクを貰えるのは)とてもありがたい」
安達社長は「この取り組みを始めてから仕事中に『熱中症まではいかないものの気分が悪くなった』という声が減ってきた」といいます。
近年の猛暑で熱中症患者の増加が社会問題となる中、働く現場も例外ではありません。
福井労働局のまとめでは、2025年に仕事中に熱中症が疑われる症状で病院を受診し労働災害と認定された熱中症の発生件数は190件。統計を開始してから7年間で最多を記録しました。
福井労働局の工藤信部長は「熱中症は死亡など、重症化しやすい災害であることを理解してほしい」と呼びかけます。
厚生労働省は、熱中症は死亡災害につながるリスクがほかの労災よりも5倍から6倍高いとしています。県内では、2022年と2024年に仕事での熱中症で1人ずつ亡くなっています。
深刻化する労働現場での熱中症に対して、国は去年6月から労働安全衛生規則を見直し、企業に熱中症対策を義務付けました。
福井労働局・木村和晴健康安全課長:
「早期発見のための体制整備・重篤化を防止するための措置の手順書を作成し、関係労働者へ周知することが必要」
企業に対し、熱中症対策のマニュアルを作成し、水分補給や身体の冷却、体調が悪い時の休養など、従業員の予防策を盛り込むよう求めています。
福井労働局では、こうした熱中症対策を行うことは働きやすい職場づくりにもつながると期待しています。「県内は人材不足の中で、高年齢労働者が就労する際、持病を持っている人も入ってくる。こういった人たちにも十分安全で安心な職場環境を作れるよう配慮してほしい」(木村課長)
ごみの収集などを手掛ける「福井環境事業」では、従業員が熱中症そのものや予防策について学ぶ講座を受けていて、半数が大塚製薬が提唱する「熱中症対策アンバサダー」に認定されています。
ほかにも、ファン付きウエアや保冷剤入りのベストを導入するなど、従業員を熱中症から守る取り組みを進めています。
安達社長は「社会インフラを担う企業として、従業員が日々健康で毎日仕事を続けられる環境をいかに整えるかが重要。従業員の健康を守る一環として、熱中症対策を今後も継続していきたい」としています。
今年の夏も猛暑が予想されています。
熱中症対策をしっかり取ることが、働く人たちを守り、ひいては企業の価値の向上や人材確保につながる時代になっています。
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