福井スタイルでホタルイカ王国を目指せ! | なんだー?ワンダー! | 福井テレビ

番組情報

なんだー?ワンダー!
土曜夕方6時29分

2026年6月6日(土)放送

福井スタイルでホタルイカ王国を目指せ!

ホタルイカといえば、富山。多くの人がそう思い浮かべるはず。でも、福井もホタルイカ王国になるポテンシャルがあったんだジョイ!

 

「富山のイメージ」を揺さぶった一枚の投稿
越前海岸のハッシュタグとともにSNS投稿された一文
「急に休みになったのでヤリイカリベンジへ……50〜100程度のホタルイカをゲット。いいお土産ができました。」

 


しかも近くの浜には大量のホタルイカが打ち上げられていたという。
ホタルイカは富山のイメージだったが、福井の海でも捕れるのかー。
そんな疑問を解消すべく、調査員は富山県滑川市にある世界で唯一のホタルイカ専門博物館、ほたるいかミュージアムに向かった。

 

専門家も首をひねる「超貴重な現象」
春になると産卵のため数十万匹の大群で富山湾に押し寄せるホタルイカ。
体長わずか5センチほどのホタルイカは、全身におよそ1000個もの発光器を持ち、深海から産卵のため浮上する。
ホタルイカが富山名産となったのは、富山湾の地形のおかげ。
滑川周辺の海底は急激に深くなっており、産卵のために浅瀬へ移動するメスのホタルイカが浮上しやすい環境が整っていたのだ。


ホタルイカが浜に打ち上げられる現象は、「ホタルイカの身投げ」と呼ばれる。
産卵後に沖へ戻ろうとしたホタルイカが、新月の夜に月明かりという「目印」を失い、方向感覚を失って岸に流されてしまうためだ。
では、なぜ福井でも同じ現象が?
「富山県以外でそこまで海岸沿いに近づいてくるのは、あまり記憶がない」と専門家も首をひねる。
潮の流れ、あるいは大型の魚に追われた可能性も考えられ、はっきりした原因は分からないが、まれな出来事だったと言える。

 

福井スタイルに密着。ホタルイカ漁
実は福井県は、兵庫県・富山県に次ぐ全国3位のホタルイカ水揚げ量を誇る。
そうした中、今年、福井のホタルイカ漁に大きな変化が生まれた。
これまでは資源保護のため水深250メートル以下に網を入れない「春ライン」という協定が設けられていたが、
長年の努力によってある程度の資源回復が見込めるようになり、今年から水深280メートルまで漁が可能になった。
「今まで入れなかった深いところにホタルイカが入っている」と漁師は話す。
これまで以上にホタルイカの水揚げ量が増えることが期待されているのだ。

 


そこで調査員は、越前漁港から出港する船に乗り込み、ホタルイカ漁に密着した。
福井のホタルイカ漁は富山の定置網とは異なり、若狭湾沖での底引き網漁。
日中、深海で群れをなすホタルイカを網で捕獲するため、青白く光る幻想的な光景は見られない。
1時間ほど引いた網を揚げると、黒くなった網の底にホタルイカがどっさり。クレーンがなかなか持ち上がらないほどの大漁だ。

 

「1トン捕れたら早上がり」——厳密なルールの中で
福井のホタルイカ漁には漁獲量の厳密な上限がある。この日乗った船では200箱・1トンが上限。最初の網で1トンに達すれば、そのまま帰港する。
さらに、ホタルイカ以外は一切水揚げ禁止というルール。小魚1匹でも混ざればルール違反となり、ホタルイカ以外の魚は海に戻される。
これが未来の海を守る取り組みなのだ。
この日は4度の網揚げを経て、ようやく200箱に到達。「満船」と呼ばれる達成感とともに、無事に帰港した。

 

越前町産は、ちょうどいいサイズ
漁港すぐそばにある漁師直営店で、旬のホタルイカが味わえる。
刺身や酢みそ、天ぷらなど、食べ方は様々だが、福井のホタルイカ漁は5月末まで。
お店で代々伝わる醤油ベースの秘伝だれに2日ほど漬けた「ホタルイカの沖漬け」なら、もう少しの期間は楽しめるそうだ。

一枚のSNS投稿から始まった取材が明らかにしたのは、知られざる福井のホタルイカ事情。
ホタルイカ王国への道は、静かに、しかし確実に開かれつつあったジョイ!