行列店ができるアノ人気店の裏側なんだー? | なんだー?ワンダー! | 福井テレビ

番組情報

なんだー?ワンダー!
土曜夕方6時29分

2026年7月4日(土)放送

行列店ができるアノ人気店の裏側なんだー?

行列の先には、人を引き寄せる何かがあるー。
今回は、行列必死!地元はもちろん、県外からのリピーターも絶えないという福井市の人気すし店の裏側を調査したジョイ!

 

行列の裏に、赤字あり。それでも握り続ける店主の心意気
福井市文京にあるすし店「魚心」。駐車場には県外ナンバーが並び、京都・岐阜・静岡・宮城・愛知・大阪など、県外からもリピート客が訪れる。夕方の営業を前に、整理券を求める列は午後2時半過ぎにはすでに始まっている。もはや「観光地」と呼んでも過言ではない繁盛ぶりだ。

店主の大西さんは、朗らかな笑顔がトレードマーク。20年前に独立開業したが、順調な滑り出しではなかった。
「ひっそりオープンしたら、誰もお客さん来なくて。夜、5時開店で7時までお客さんが1人も来なかったり」
8年間続いた赤字。両親に頭を下げ、お金を借りたこともある。追い詰められ、「やめよう」と思ったそのとき——息子の病気が見つかった。「もうこうなったらやるしかないな、って。それで奮起して立て直したんで。それがなかったら、多分やめてたんじゃないかな」
家族のために、踏みとどまった。

 

それでも今年、また1,500万円の赤字が出た。
理由の一つは、土日祝日・お盆・正月・ゴールデンウィークの昼営業を自らやめたことだ。
「県外から一斉に来てくださるんで、近隣の方の駐車場に停め始めちゃって。人に迷惑をかけてまで経営しちゃいけないと思ってるんで」
そんな苦境に直面し、逆に大西さんは「ネタを6種類ぐらい大きくした」と言う。
「引っ込み思案になるぐらいなら、値上げしてもお客さんに満足してもらいたい」という”攻め”のおもてなしだった。
行列ができても、売上はほとんど変わらない。10席しかない店に50人来ても、座れるのは10人だけ。「儲かってるわけじゃないっすからね、ほんとに」と大西さんは苦笑する。さらに、シャリに使う米の価格が1年で2倍に跳ね上がった。

 

 


「手間暇かけたほうが、やっぱりおいしい」
魚心のシャリは、もちもちしすぎない食感の「いくひかり」を使用。生産農家に直接発注した”魚心だけのお米”だ。
季節によって酢の量も水の量も浸水時間もすべて変える。仕込み中の大西さんから、いつもの笑顔が消える。それほどの真剣さで向き合う。ネタの仕込みは2,520貫——およそ200人前が「半日分」だ。深夜2時から仕込みを始め、10時間後にようやく一段落する。
「手間暇かけたほうが、やっぱりおいしいんですよ」

 

 


感謝と誠実さが人を引き寄せる
大西さんの太っ腹ぶりは、厨房の外にも及ぶ。
スタッフの時給は平日1,400円、土日1,500円。子どもが熱を出せば気兼ねなく休んでいい。最長2か月休んだパートもいる。飲み会代は会社が全額負担だ。
2018年の福井豪雪では、孤立集落の存在をニュースで知り、余ったネタを届けようと知人を介して、集落の人々に届けたことも。
後日、届いた感謝の手紙を見せてくれた大西さん、「受け取ってくれる人いたんだ、と思いながら、ほんとに感動しました」

 

 

行列の秘密は、デカネタでもコスパでもなかった。客へ、取引先へ、スタッフへ、家族へ、地域の人へ——大西さんが向ける感謝と誠実さが、人を引き寄せていたジョイ!