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元々はお殿様の“プライベート空間” 江戸時代の御小座敷を移築した越前松平家の菩提寺「瑞源寺」 秋には七草ハギが彩る

2026.09.10 20:36

福井県内の魅力を再発見する小旅のコーナーでは、福井藩・松平家の菩提寺、福井市の瑞源寺を訪ねます。秋の足音を感じながら歴史を堪能します。

 

福井市の足羽山のふもとにある瑞源寺の山門を入ってすぐ、出迎えてくれるのが秋の七草の一つ、ハギです。元々、ハギが多く植えられていましたが、より地域の人に親しんでもらいたいと、30年ほど前から増やしてきたといいます。
    
毎年、9月下旬になるとピンクの可憐な花が咲き誇り、参道はまるで“ハギのトンネル”になることから「ハギ寺」とも呼ばれています。
   
今年は猛暑の影響で、開花まではあと少し…といったところでした。

 

瑞源寺は臨済宗妙心寺派の寺で、約1200年以上前に泰澄大使によって現在の鯖江の地に創建されたと伝わり、江戸時代にこの地に移りました。
  
花房禅佑住職は「このお寺は1670年代に鯖江の吉江から移ってきている。越前松平家の5代、7代藩主の松平昌親公(7代では吉品と名前を変える)が、お母さんのために作ったお寺。以来、越前松平家の菩提寺として今日まで存続している」
 
松平家の菩提寺は実は、寺の建物そのものが貴重な文化財。住職に案内してもらいました。
  
本堂は江戸時代後期の1830年に、福井藩14代藩主斉承が作った「御小座敷」と呼ばれる本丸御殿です。
 
「本丸御殿といっても、政治をしていた場所ではなく藩主のプライベートな空間。この部屋で14代、15代藩主は実際に寝起きしていた。特徴は柱が細かったり非常に天井が低かったり…だからお城の御殿と言ってもそんなに格式ばった建物ではなかった。お殿様の趣味、数寄屋風のくつろいだ空間に仕上がっている」(住職)
 
なんと、元々は藩主のプライベート空間だったのです。その部屋をそのまま移築してきたため、こんな特徴も。
 
「元々、お城の御殿ということもあり、やはり寺の本堂として考えると、ちぐはぐな点がいくつかある。本堂の出入り口が端についている」
 
本来、寺の出入り口は本堂の建物の正面についていますが、そのまま移築したため、このような造りになっているんだそう。

 

そして、本堂のすぐ横にある書院もかつて、福井城本丸「大奥御座の間」を移築したものです。
  
「この部屋の中で特筆すべきものをご覧に入れましょう。この障子はお城からきている。ここに字が書かれているのわかりますか?『大奥御座の間御入側境西より5、6本のうち』と読む。城でも障子を張り替えることはあるので、その時の覚えとして障子の上の部分に字が書かれている」(住職)

長い歴史の1ページを、令和の現在も身近に感じ取ることができます。
 
「福井は、戦災で古い町並みが焼けてその後に地震にも遭ったことで古い建物が残されていない。この瑞源寺は足羽山のふもとにあり、福井駅からもそんなに遠くない。そこにこうして江戸時代の建物、しかも城の御殿が残されていることを多くの方々に知ってもらい訪ねてほしい」(住職)
  
江戸時代、かつては限られた人しか入ることができなかった御殿。時代を超えても姿を変えずに人々の心のよりどころの寺として、あり続けています。
 
秋の足音が近づく今、先人たちの息遣いを感じる旅になりました。

 

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