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クマとにらみ合うこと10分「どうにもならない」緊迫の状況を遭遇した男性が語る 越前市の民家に出没
県がまとめた2024年度のクマ出没件数では、統計を開始した2004年以来、4月と5月で過去最多を記録しています。6月16日時点で、すでに160件と大きく数字を伸ばしていますが、幸い人身事故は発生していません。
先日、越前市内でクマを目撃した男性を取材しました。緊迫の遭遇の瞬間を再現してくれました。
現場は、緑に囲まれた越前市文室町です。付近ではクマの目撃情報が相次いでいます。6月9日午後4時半ごろ、民家の庭に現れた一頭のクマは、体長80センチほどで、茂みの中で草などを食べていました。
このクマを目撃したのは、山本義實さんです。山本さんが洗濯物を入れようと思っていたところ、庭先にクマがいるのを発見し、隣に住む息子に助けを求めました。「自分1人ではどうにもならないと思った」と山本さん。「クマを見たことがないし、目の前に遭遇したことがないのでびっくりした。危険だと思った」と振り返ります。
約10分間、茂みに現れたクマとにらみ合った山本さん。駆け付けた警察も協力し、約1時間後に、クマはその場を後にしました。
それから1週間が経ったいまも、クマに遭遇する不安は消えないといいます。「クマが出てから玄関に出るのも怖い。洗濯物を取りに行く時も必ず笛を吹いてしばらく様子を見てから、洗濯物を取り込む」と対策しているといいます。
越前市文室町ではクマの目撃情報が6月に入って8件あるということです。県によると「去年秋の山の実り不足でクマが里に下りて、周辺に居ついたクマも一定数いる。繁殖期で活発に活動し、人目に触れている状況」ということです。
クマの被害にあわないために県は▼クマ鈴、ラジオを持参し人間の存在を知らせる▼出会ってしまったら騒がず走らず後退する。攻撃が避けられないときは地面に伏せ、両手で首の後ろをガードして頭と首を守る▼エサになる生ごみなどを家の近くに放置しない、などと呼び掛けています。
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