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敦賀以西ルートの“キーマン”西田委員長に独占インタビュー 「米原ルートは議論を整理すべき」と強調
北陸新幹線が福井県内開業してもうすぐ4カ月。福井には関東方面から多くの人が訪れる一方、敦賀での乗り換えの不便さなどの声も聞かれ、一日も早い大阪までの延伸が期待する声が上がっています。
しかし、当初2023年着工予定だったのが、環境アセスメントの遅れから2年先延ばしになりました。そうした中、敦賀以西の整備は「小浜・京都ルート」で決定したにも関わらず「米原ルート」再考の声が石川県の一部や、野党から上がってきています。
当初の案では「小浜・京都ルート」の他に、滋賀県の米原から東海道新幹線につなぐ「米原ルート」、小浜から京都の舞鶴を経由して京都・大阪に行く「舞鶴ルート」の三つの案がありました。その中から「小浜・京都ルート」と「米原ルート」の二案に絞り込まれました。当時の資料によると、建設費は米原が優位に見えたのですが、所要時間も料金も小浜・京都ルートが早くて安く、加えて、北陸新幹線と東海道新幹線では運行システムが異なるため、米原では乗り換えが必須となっています。
これらを総合的に判断し、2016年に与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームが「小浜・京都ルート」に最終決定しました。
今回、このルートを決定した際、検討委員長を務め、6月に新しく与党北陸新幹線の整備委員会委員長に就任した、西田昌司参議院議員に独占インタビューをしました。
6月18日。北陸新幹線敦賀以西の建設推進を図る与党整備委員会が半年ぶりに開かれました。新しく委員長に就任したのは、京都府選挙区の西田昌司参議院議員です。この席で西田委員長は「本年中に詳細ルートを決定しなければならない」と発言し、2025年度の認可・着工を目指すことを改めて確認しました。
初会合を終えた西田氏に話を聞きました。
Q.一部で上がる「米原ルート」再考についてー
「小浜・京都ルートに正式に決めたのに、米原ルートもあるんじゃないかとなり、非常に戸惑ったが、米原ルートはないということを整理しないといけない。米原ルートがなぜダメかというのを、初会合で国交省の方から説明してもらったが、正しい情報を沿線や国民の皆さんに示して、事業が必要だと理解していただくことが一番大事」
Q.財源の確保はー
「結論は国が出すこと。元々この新幹線計画は、東京一極集中や関西だけではなく、日本海側の北陸も東北も四国も含め、日本全国にインフラを整備していくというもの。東京以外の各地域で人が定住し、生活できて子育てできるような環境を作らないと少子化は止まらない。少子化を止めて、日本が次の世代が生き残っていくためにもインフラ整備はやらなきゃならない。その象徴が整備新幹線。その金は国が出さないとだめでしょと、そういう議論をしていかないといけない」
整備計画によると、小浜・京都ルートの8割は地下のトンネルです。掘削工事により、地下水への影響や土砂の処理問題が懸念されていて、京都では一部の住民による反対運動も起きています。
Q.地下水枯れや土砂の処理問題はー
「様々な調査をして一番影響が少ない方法を検討している。トンネルを掘るのは大した問題じゃないが、問題は駅。京都駅を作るのに、地下に東西約2キロの幅で駅を作るが、駅はトンネルじゃなく壁なので、壁を南北に流れる水のところに地下数十メートルのところに駅を建てると影響が出る可能性ある。それで、とんでもないと言われていると思うが、当初から見込まれるので、そうならない方法はないのか何年もかけて検討してきていて、その案が示される。7月中には案を示して理解を求めたい」
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