ニュース
県内のニュース
ついに豚肉、卵まで…価格高騰の波が“物価の優等生”たちにも 飲食店は人件費高騰とダブルで苦境 消費者は日々、食材の“やりくり”
豚肉の価格が過去最高水準となっています。豚肉は“食卓の救世主”、卵は“物価の優等生”
と言われてきましたが、それも過去の話のようです。
仕入れや販売を工夫する店、知恵を絞る消費者その影響を受ける飲食店、それぞれ取材しました。
豚肉の価格が過去最高値を更新

食卓の味方、豚肉。豚しゃぶや生姜焼きなど家庭料理の定番ですが…いま高値が続いています。買い物客からは戸惑いの声が聞かれます。
買い物客は―
「何でも上がっている。豚肉、前は安かったのに…今日は豚じゃなくて鶏にしようかな」
「少しずつ少しずつ上がってきている。いま比べて見てるんですけど、これ(国産豚しゃぶ)100g192円で、どうしようかなと。こっちのしゃぶしゃぶ用にしようか…迷っているところ。吟味して買っています」
農水省が9月に発表した食品価格動向調査によりますと、豚肉の全国平均価格は100gあたり293円。平年と比べて107%と過去最高値を更新しました。
そして、27日に発表された10月の統計では288円とわずかに下がったものの、依然として高値の状態が続いています。
そんな中、福井市のアル・プラザベルでは、消費者の経済的負担を抑えようと、驚きの企業努力が行われていました。
兵藤遥陽アナウンサー:
「豚肉の価格高騰が叫ばれる中、特売コーナーには鶏肉や豚肉が100gあたり98円で並んでいます!家計には非常に助かりますね」
通常の日は100g・160円前後の豚肉。なぜ、この物価高に98円という価格が実現できるのか、売り場の店員を直撃しました。
精肉担当の店員は「仕入れ担当が頑張って年間契約をしていることから、高値のあおりは受けずに98円での販売を維持できている。毎週火曜日に100g・98円の均一セールをやっている。大量に買ってもらい、なるべく家計に影響を及ぼさないように努力している」と話します。
バイヤーの交渉力が、100g・98円という価格を支えていました。
スーパーも小売店も“工夫”と“努力”
一方で、買い物客も、ただ手をこまねいているわけではありません。これから本格化する「鍋シーズン」を前に、あの手この手のやりくり術が光ります。
買い物客は―
「(豚肉を)出す回数を減らしたり、小分けにしたり。炒め物だったらソーセージに変えてみたり、使う量を減らして野菜を多く入れるとか。(きょうは?)豚肉を使って焼きそばをしようかなと思っていて、冷凍しておいて別の日にはお好み焼きにしようかなと」
「おからを使って(お肉を減らし多分をおからで)かさ増しして、ヘルシーに!」
「必ず2日分、買う。買い物は週に『お金を使わない日(0円デー)』を3回作るとか。毎日は買いに行かずに(店も)はしごしない。はしごすると、いろいろ買っちゃうんで」
じわじわと進む値上げに対し“スーパーの知恵”と“家庭の工夫”が食卓をしっかりと支えています。
卵も2003年の調査開始以来の最高値

田島嘉晃アナウンサー:
「食卓の味方の豚肉だけでなく“物価の優等生”の卵も高値が続いています。10個入りで税込み300円を超えています」
福井市内のスーパーでは、少なくとも半年前から10個入りの卵を税込み300円を超える価格で販売しています。
卵の高値は全国でも続いていて、農林水産省の27日の発表では10個入りの卵の全国平均価格は312円と前月より3円上がり、2003年の調査開始以来最高となりました。
卵と豚肉…ダブルの価格高騰で飲食店から悲鳴

吉田圭吾アナウンサー:
「卵や豚肉の値上げが続く中、越前市の名物グルメ・ボルガライスにも影響が出ています」
越前市の食堂「江戸屋」はリーズナブルで“コスパ”が良いメニューが豊富で、オムライスの上にとんかつがのった当地グルメ「ボルガライス」が人気メニューの一つです。
店主の栗塚明さんは「(卵は) じわじわと値段が上がってきてはいるので、倍まではいかないがそれに近い価格にはなっている」と話します。
この店で使う卵は1日約200個。10キロ当たりの仕入れ値はおととしに比べて約2倍になりました。
さらに、1日で約5キロ消費する豚肉の仕入れ値も約2割上昇するなど、ボルガライスは原材料費上昇のダブルパンチにあえいでいます。しかし「ボルガライスとしてはコメ価格が以前の価格に戻りつつあるので、そのバランスで何とかやっていけている」といいます。
そんな中、店主の栗塚さんが最も心配するのが、間もなく迎える新そばシーズンを前に1杯600円で提供する「おろしそば」への影響です。
「一番の心配なのはやはり、今年の災害で丸岡産のそばが駄目になってしまったので、価格が上がらなければいいなと思う」(栗塚さん)
さらに、そばを巡っては出汁にも値上げの波が―
「煮干しとかかつお節、さば節の価格帯が意外と一番上がっていて、トータル的に2倍近い価格帯になってしまっている」(栗塚さん)
水産庁の調査によりますと、かつお節やさば節はエルニーニョ現象や近海の不漁の影響で仕入れ値が上がり、昆布についても海水温の上昇などで生産量が減り、国内の主要漁港での干し昆布の卸売価格は最高値を更新しています。
出汁の原材料の2倍近い高騰に豪雨によるソバの不作も重なり、看板メニューのおろしそばにも値上げの波が訪れようとしています。
「(値段を)上げるところは上げないといけないが、地域のソウルフードのおろしそばに関しては、なるべく価格を上げずにいきたいですね」
その他、10月から始まった最低賃金の上昇や2027年4月以降の消費税の問題など厳しい状況が続くと語る栗塚さん。飲食店にとっての正念場が続きます。
- 広告


