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大阪・関西万博まで1カ月余り “無料チケット配布”が物議 県内自治体の対応や県民の反応【福井】
大阪で開かれる万博は、4月13日から10月13日まで大阪市の夢洲で開催されます。「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマで、150の国と25の国際機関が参加し、最新の科学技術や文化が展示されます。
これまで日本では、大阪や愛知などを会場に5回、万博が開催されています。前回の大阪万博は55年前の1970年。シンボルは太陽の塔で、関西電力初の原発、美浜原発から大阪万博の会場に電気を送り届け、当時の新しいエネルギーである原子力の時代を切り開きました。
あれから55年が経ち、大阪で2回目の万博が開かれることについて県民の声を聞くと、「(万博は)聞いたことある」「興味がない」「行かない」「交通の便も悪いし、宿泊も高い」と後ろ向きな意見が多く聞かれました。
一方の大阪府民からは「前売り券を3枚買ったので3回以上は行く」「前回の大阪万博は2回しか行けなかった。その時は月の石があって、アメリカ館とソ連館に学校で行った。一日2つしか回れなかった。2回目は友達と行って、分からないところを全部回った」「(万博は)記憶に残っている。人類の進歩が見られた。今回は難しいかな」と比較的前向きにとられる声が多く聞かれました。
今回の万博は、木製の大きなリングが象徴的で、その中では、それぞれの国の特色を生かした展示場やパビリオンが設けられます。チェコのパビリオンは、伝統的なガラスでできた独創的な建物のデザインです。チェコのビールや料理が味わえるほか、チェコの音楽家が演奏会を開く多目的ホールもあります。
福井県が出すブースは大きく3つのエリアで構成されます。▼アーゲートエリアでは、実物大の肉食恐竜フクイラプトルがお出迎え。▼発掘体験エリアでは、懐中電灯型のデバイスを壁や天井にかざすことで、恐竜化石発掘を体感できます。▼時空の旅エリアでは、大型スクリーンに恐竜の繁栄などを紹介する仮想現実が投影されます。来場者に恐竜が襲いかかるような演出もあります。県では、恐竜王国福井の魅力を日本はもちろん世界の多くの人に知ってもらいたいとしています。
ただ、福井県が県内の小中高生に万博のチケットを無料で配布することについて、物議が。県は1月、県内の小中高生約8万人を対象に、チケットを無料配布することを発表しました。学校を通して入場に必要なチケットIDを配るというもので、受け取った後は都合のいい日時を選んで各自で予約するシステムです。そのため、大阪までの交通費や家族のチケットの購入費は自己負担になります。
一方、嶺南では、美浜町、おおい町、高浜町の原発が立地する3つの町について、関西電力が原発立地地域の振興を図る取り組みとして、小中学生と保護者480人を無料招待すると発表。バスは各町と共同で運行します。さらに美浜町は、独自でバスを運行して、町内全ての小中学生が無料で会場まで往復できるようにするとしています。
県民の声:
「子どもだけで万博は行けない。宿泊費や時間もかかるので誰も行かないと思う。考えないといけない、やり方を」
「春休みに県外へ家族旅行することは考えている。(選択肢としての大阪万博は)いま初めて知ったから気にはなる」
県内の小中高校へのチケットの無料配布を受けて、県内の他の市町の対応を聞いたところ、学校から万博会場までの直通バスを出すという市や町は、いまのところ他にはありませんでした。もともと修学旅行に組み込んでいたという学校はみられましたが、無料配布を受けて修学旅行に組み込むものではありませんでした。基本的には学校の判断に委ねているということです。
無料チケットがあっても、個人や家族ごとにの考えが異なります。
地元の大阪府や近隣自治体では、学校単位での無料招待事業をめぐって、来場を取りやめる学校や自治体が相次いでいます。その要因としては▼熱中症対策など安全面のリスク▼バス代高騰などによる交通費の保護者負担などがあげられます。今後、全国的にはどんな動きが広がっていくのか注目です。
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