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県内初の「大学発ベンチャー」県立大学に誕生 魚とともに人生歩む村上雄哉さん サーモン養殖に“昆虫由来”のエサ開発【福井】
大学などの革新的な研究成果を基に設立される新興企業のことを「大学発ベンチャー」と呼んでいます。経済産業省によりますと、全国での設立数は、2023年のデータでは4288企業あり、2000年度と比べると約10倍に増えています。こうした中、福井県立大学に、学生の研究成果を生かしてサーモンの養殖ビジネスを目指す「大学発ベンチャー」が誕生し、17日、認定式が行われました。県立大学では初めて、学生が手掛ける「大学発ベンチャー」となります。
大学発ベンチャーの認定式は県立大学永平寺キャンパスで行われ、岩崎行玄学長から海洋生物資源学部4年の村上雄哉さんに認定書が手渡されました。
間もなく卒業を迎える村上さんは、大学発ベンチャーに認定された「sa-mo(サーモ)」の社長を務めていて、国産資源を活用したサーモンの養殖を行っています。
勝山市出身の村上さんは、釣りが好きなこともあって海洋生物資源学部に進学し、学生時代は魚の養殖に使うエサを研究してきました。そんな村上さんが着目したのは、高品質で安いエサの開発と、それを使ったサーモンの養殖でした。
村上さんは「エサの原料は今、天然の魚を原料とする魚粉を使っているが、価格が14年間で2.6倍にも高騰している」と現状を話します。
ベンチャー企業「sa-mo」では、今後も高騰が予想される魚粉の代わりに、昆虫を使ったエサの製造販売を行います。昆虫のエサは高たんぱく質で栄養価も高く、飼育する過程で、生ごみなど有機廃棄物の処理にも活用できるとして注目されています。
4月以降は、県立大学の設備を使って加工した餌を、勝山市内にあるサーモンの養殖場で試験的に使い、2年後には本格出荷に漕ぎ着けたいとしています。
村上雄哉さんは、中学時代から釣りに熱中し、二十歳のときにはアユ釣りの全国大会で準優勝。釣り具メーカーとスポンサー契約して釣り三昧だったそうです。
これまでも魚とともに歩んできましたが、卒業後も「sa-mo」の社長として自らサーモンの養殖場を運営し、国内外に販売する目標を掲げ、魚とともに歩む生活を送ります。
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