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運転手が足りない…自動運転バス導入へ福井市が実証実験 他市町では休止相次ぐ中、27年度末までに運転手なし「レベル4」認可目指す
深刻化するバスの運転手不足を背景に、福井市は自動運転バスの運行に向けた実験が進められていて、11月からは乗客を乗せた実証運行をスタートする予定です。その一方で、県内の他の自治体では自動運転の実験を休止する動きが相次いでいます。取材を進めると、それぞれの地域が置かれた実情の違い、さらには国の大きな方針が影響していることが分かりました。
福井駅西口のバス乗り場に入ってきたのは、実証実験に向け準備が進む自動運転バス。車体に設置されたセンサーで周りの障害物や歩行者を検知します。
9月14日から実際に道路を走らせ、AIでルート上の状況を学習させています。
バスが走るルートは、福井駅を中心に福井アリーナの整備が進む東公園周辺から高志高校、養浩館庭園、仁愛女子高校などを巡る周遊コースです。道幅が広く、冬場も安心な消雪パイプが備わった道路が中心です。
11月からは、運転手が同乗する「レベル2」の状態で、乗客を乗せた実証運行を始めます。
福井市地域交通課の小川博史副主幹は「11月の実証運行までに必要な調整を行い、市民に安心して乗車してもらえるよう安全第一で努めていく」と話します。
福井市が導入を急ぐ背景には、深刻なバスの運転手不足があります。
2024年4月、ドライバーの長時間労働規制が強化されました。路線バスを運行する京福バスでは運転手が35人不足する事態に陥り、700便以上の減便を余儀なくされました。
こうした事態を受け、福井市はバス路線を維持する手段として去年2月から自動運転の導入の検討を始めたのです。
今回、福井市で実証実験を手掛けることになったのは、全国100カ所以上の自治体で自動運転の実証実験を行っている自動運転開発企業「ティアフォー」です。同社の上川真史さんは「北陸では石川県小松市などでの実績もあり、近隣の福井市でも支援ができると考えた」と話します。
2027年度末までに特定の条件の下、運転手なしで走行できる「レベル4」での認可を目指します。
高市内閣が定めた「日本成長戦略」では自動運転技術を成長分野と位置づけ、戦略的に投資を行うとしています。その一方で効果のない補助金の見直しも行います。
高市総理:
「強い経済の実現に向けて、日本成長戦略と地域未来戦略を両輪に予算編成方針も大胆に見直す」
国は今年度、自動運転の実現可能性のある自治体に対し効果的に支援を行うとして、方針を厳格化。2027年度末までにレベル4を達成できない場合は、補助金の一部返還を求めることにしました。
さらに支給対象もルート設定などの立ち上げ段階のみとし、導入後の維持管理費は支給しない方針も打ち出されました。
こうした国の方針を背景に、県内では実証実験の休止が相次いでいます。
越前市は2車線道路が少なく、路上駐車への対応などから期限までに間に合わせるのは技術的に困難と判断しました。
坂井市も、導入後の財政負担が重いとして休止を決めました。
そんな中でも福井市は「将来的に自動運転技術が普及して、当たり前の世の中になっていく。今回のプロジェクトがそのきっかけになれば」と2027年度末の認可実現に向けて課題を解決していくとしています。
ティアフォーの上川さんも福井市の道路環境を実際に見て、これまでの実績からも実現は可能だと考えています。「石川県小松市、長野県塩尻市で、既にレベル4の認可を取得している。福井市は道幅が広く、片側2車線で走りやすい。歩道と車道が分けられているので誤作動も少なく走行でき、自動運転に向いている」と話します。
高齢化や運転手不足が続く中、地域の移動手段をどう守るのか。自動運転の可能性が注目されます。
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