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銅板が盗まれた神社「元には戻せない…」住民ショック 人口減少で管理が難しい“無人神社” 銅の価格高騰を背景に福井県内で4件が発生
福井県内では今年8月以降、4つの神社で屋根の銅板が盗まれる被害が発生しています。なぜ、いま銅板が狙われるのか、被害に遭った神社を取材しました。
福井市の中心部から車で約30分の山あいにある中手町は、23軒の民家が並ぶ小さな集落です。その地域のシンボルともいえるのが、樺八幡神社です。
武田祐季アナウンサー:
「約1カ月前に屋根の銅板の盗難被害に遭った樺八幡神社です。立派なイチョウやスギの木々に囲まれて、地域の皆さんに大切に守られてきたこの神社。いまはこのように足場が組まれて、まもなく修繕工事が始まろうとしています」
窃盗事件が発生したのは9月。地域住民が集まってお祓いをする秋祭りの後でした。
福井市内の解体業の男ら2人によって、本殿の屋根に使われていた銅板約500キロ(時価120万円相当)が盗まれました。
中手町自治会長・高橋和昭さん:
「最初に発見した時に細かい銅板が、一面に散らばっていて気が付いたんです。で、上を見上げたら『えっ』という状態ですね」
犯人の男はすでに逮捕されましたが、盗まれた銅板の一部はすでに金属の買い取り業者に売却されていて神社には戻ってきていません。
仕方なく地区で長年積み立ててきた100万円を費用の一部にあて、今週から葺き替え工事をはじめました。
武田アナ:「こちらは元通りになるんでしょうか?」
高橋さん「いや、元通りってのは…銅板葺きっていうのはすごく金額が高くなるもので、元の状態にはできない」
武田「銅(の屋根)には戻らない?」
高橋さん「そうですね。銅で葺くことはねなかなか大変なもんで。金銭的にも難しいもんですから」
実はいま、全国で神社の屋根の銅板が盗まれる被害が多発しています。
県神社庁によりますと、県内でも今年8月から10月にかけて4つの神社で屋根の銅板が盗まれる被害が発生しています。
背景には「銅の価格高騰」があります。
福井県警本部生活安全企画課・真杉順子さん:
「金属盗は増加傾向にあり、特に工場や神社仏閣で目立ちます」
JX金属が公表しているデータによりますと、2020年1月に1トン当たり約71万円だった銅の価格は、今年9月には約235万円に上昇。6年余りで3倍以上に上昇しています。
そして被害に遭った神社には共通点がありました。
いずれも宮司や神主が常駐していない「無人神社」でした。
樺八幡神社も先代の宮司が亡くなって以降、年に2~3度行われる祭りやお祓いなどの際にのみ、離れた場所から宮司が訪れています。
さらに屋根の状態が被害の一因となった可能性もあります。
藤田社寺建設によりますと、一般的に銅板屋根の寿命は30年前後。銅はもともと人の手で曲げられるほど軟らかい金属で、さらに寿命を過ぎた屋根は接続部が劣化しているため犯行は容易だったのではないかということです。
被害に遭った神社の屋根は、葺いてから30年から40年ほどが経過していました。
転売目的で神社を傷付け銅を盗み取る「罰当たり」な犯行。長年にわたって神社を守ってきた地域の人たちの思いも踏みにじる行為です。
高橋和昭さん:
「もう正直言って、犯人に対して色んな意見が出てるんです。地区の人たちは損害賠償を求めて訴訟を起こさないといけないとか。犯人にもし会うことがあれば元に戻して欲しいと、それだけですよね。もう元に戻ることはないんですけどね…」
福井県警本部生活安全企画課・真杉順子さん:
「県民、業者の皆様には、こういった金属類の保管管理を徹底し、防犯カメラなどの機械設備の導入、活用で防犯対策を講じていただきたい」
人口減少に伴い地域の神社の維持管理が難しくなる中、被害をどう防いでいくのかが問われています。
県警によりますと、今年9月末までの金属盗の認知件数は31件で前年同時期より7件増加。被害額は約2485万円で前年同時期の4倍以上となっています。
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