番組情報
#57 ブランド魚の宝庫 敦賀のイサキを調査せよ
2026年07月11日(土)放送
「なんで私はもっと早くイサキに出会わなかったんだ」——試食した瞬間、そんな言葉が思わず口をついて出るほどの味わい。
福井県・敦賀市西浦地区。古くから漁業が盛んなこの場所で今、ひとりの漁師が新たなブランド魚を育てています。その名は「福イサキ」。
育てているのは漁師の石川恵さん40歳。北海道出身の石川さんは結婚を機に妻の実家がある敦賀へ移り、養殖漁業を営んでいます。かつては料理人として西洋料理の厨房に立っていた石川さん。そのとき、タイをソテーにする場面は経験していたものの、イサキのソテーを「見たことはあるが、食べたことがなかった」と言います。
「自分で育てた魚をソテーしてみようと思って養殖を始めてみました」
元料理人ならではの視点が、養殖への動機となったのです。
試食してみると、刺身は弾力があって脂のうまみが上品に広がり、たたきは香ばしさが加わって、さらに食べやすくなります。
研究員はさらなる魅力を求めて開業したての割烹料理店「神楽ごどう」に福いさきのフルコースを作れないかを依頼。店主の岸本孝行さんが快諾してくれ石川さんと研究員の二人で試食をさせてもらった。
皮目を炙り、ポン酢と大根おろしを添えて。敦賀といえば昆布が有名——その組み合わせが、うまみをさらに引き出します。「昆布締めにしたことで、ねっとりとした食感とうまみが増す」と、食べた瞬間に驚きの声が上がりました。
酢で締めたイサキを、大葉とミョウガとともに海苔で巻いた夏らしい一品。「大葉やミョウガを入れているのに、イサキが主役を譲らない」という言葉が、その力強い個性を物語ります。
柚子の香りを乗せて焼き上げた一品。「脂がしっかりあるけど、くどくない」。石川さんは思わず「育ててよかった」とつぶやくほどの味わいでした。
甘辛く炊き上げたシンプルな煮付けはまた別の顔を見せます。「毎日これが出てきてほしい」という声が漏れるほどの完成度でした。
4品を食べ終えた石川さんは、こう語りました。
「全部、雰囲気も違うし、味も違っていて、すごい面白みがあった。これからもっともっとよくしていきたいという気持ちになりました」
岸本さんも、初めて養殖のイサキに触れた感想を静かに話します。
「天然とは違う良さや個性があった。それを知れたことがよかった。ちゃんとおいしいと思ってもらえたのが何よりです」
二人がパワーボールに込めた言葉は、それぞれ「みんな仲良く」と「料理で人を幸せにする」。
仲間と協力しながら新しいブランドを育てたい漁師と、身近な人から始まり生産者まで幸せにしたい料理人。その思いは同じ方向を向いていました。
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