#8 あるもの、厄介もので宝ものをつくれ!|福井テレビ

番組情報

Fukuiクエスト 放送日
#8 あるもの、厄介もので宝ものをつくれ!
2025年06月07日(土)放送

福井県の北端、あわら市細呂木地区に地域に眠る資源を掘り起こし、地域の活力を高めようと活動する団体があります。
平成26年に結成したNPO法人細呂木地区創成会です。

 

 

 

 

創成会では、地区内の幹線道路の清掃活動を行ったり、地域に眠る歴史文化遺産を掘り起こし、観光案内をしたりしています。
創成会が活動拠点にしている「細呂木ふれあいセンター・らくーざ」も創成会で整備したもので、使われなくなったJAの建物を地域の人たちが気軽に集えるカフェにリニューアルしました。

 

 

 

また、会員が子どもの頃、秘密の遊び場にしていた「宮谷石切場跡」も、所有者と交渉し、観光スポットに生まれ変わらせました。
宮谷石切場跡は、SNSにアップされたり、人気アイドルグループがプロモーションビデオの撮影地に使われたりするなど、全国に発信され「山の中にこんなに多くの人が来るとは」と想像以上の反響となりました。

 

 

一方、創成会が管理を任される「神宮寺城跡」は、戦国時代の山城跡。城跡の見学の他、火縄銃型モデルガンの射撃体験もできる等、気軽に戦国気分を味わえます。

 

 

 

 

 

精力的に活動する細呂木地区創成会ですが、会の設立以来、頭を悩ませている課題があります。
「竹害」とも呼ばれる荒廃した竹林問題です。
竹は成長が早く、竹林もしっかりと管理しないとすぐに荒廃してしまします。また、密集したままにしておくと竹が周囲に広がり、周りの樹木の成長を阻害し、生態系を崩してしまいます。

 

 

 

かつて土壁の下地や竹かごなど様々な用途で使われた竹ですが、プラスチックなど竹に代わる資材の登場により、使われなくなりました。また、住民の高齢化、過疎化などにより、山に人が入らなくなり管理が行き届かなくなってしまいました。これは、全国各地で起きている課題でもあります.
竹の問題を解決するためには、竹を使わなくてはなりません。

 

 

 

細呂木地区創成会では、「門松」を作って販売したり、門松づくり教室を開いたりして竹を消費する機会を設けました。また、竹筒に穴を開けて、LEDライトなどを点す「竹灯り」をつくり、市内の「景観整備」に用いてきました。それでも、竹を使う時期が集中したり、竹を運び出す労力が必要と、竹の新たな活用法が求められていたのです。そこで、わがまちレベルアップLABOの研究員は、越前市で竹工房「竹之助」を訪ね、竹を大量に使うアイデアを教えてもらうことしました。

 

 

工房の主から、竹を大量に消費し、オブジェにも動物よけにもなる「鹿垣(ししがき)」のアイデアを聞いた研究員は、再び細呂木地区へ。
竹に覆われる神宮寺城跡で実際に「一石三鳥の鹿垣」を作ってみることに。(細呂木地区創成会を通してあわら市教育委員会の許可を得ています)

 

研究員も手伝いながら、作業すること約3時間。長さ10メートル、高さ60cmの鹿垣が完成。
放置されたままの竹も使うことが出来ました。

 

 

 

 

「あるものを活かし、必要なものを創る」と話す創成会の酒井敏雄さん。創成会のメンバーと相談し今後も延ばしていけたらと話しています。

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