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2026年10月24日(土)放送
謎の言葉”ハサイニュウ”ってなんだー?
「この言葉は、検索しても出てこない・・・」。
謎の言葉 ”ハサイニュウ”。かつては日常の中で当たり前に見かけた、あるものを指すという。調べてみると、消えゆく昭和の風景と変わりゆくコメ作りの実態が見えてきたジョイ!
依頼主は、福井県立歴史博物館の学芸員・伊藤さん。消えつつある”ハサイニュウ”を、調査員と一緒に調べて記録に残してほしいという内容だった。向かったのは坂井平野。見渡す限りの田んぼの中に”ハサイニュウ”があると言う。
伊藤さんによると、”ハサイニュウ”とは、田んぼに隣接して建てられた、木材など保管する小屋のことを指す。収穫した稲を干す作業「はさがけ」の際、木を立て、横に棒をかけて稲を干す。その木や竹が「はさぎ」で、それをしまう小屋が”ハサイニュウ”なのだ。伊藤さんは、祖母から教えてもらった言葉だが、どんな本を調べても、あてはまる漢字が分からない。そのため、いつもカタカナで”ハサイニュウ”と書いているそうだ。
探し始めて1時間、ついに発見 稲を干す木と竹の小屋
そして探し始めておよそ1時間。ついに”ハサイニュウ”らしき小屋がみつかった。近所の人に尋ねると、返ってきたのは「はさぎ小屋」という呼び名だった。昔はいっぱいあったが、処分したという。伊藤さんによると、小屋の呼び方は、1つではなく、地域によって異なるという。「イナキ小屋」や「ドンギャ」という呼び名もあるそうだ。 ”ハサイニュウ”は、京都周辺では小屋のことを「ニュウ」と呼ぶこともあるらしく、「はさぎ」の「ニュウ」、つまり「はさぎ」の「小屋」が変化したのかもしれないと推測する。
別の集落で、”ハサイニュウ”がずらりと並ぶ「群生地」を発見した。そのうち一軒は、ハウスの部品や乾かした薪を入れるなど小屋としては今も現役だった。
”ハサイニュウ”が消えた理由
”ハサイニュウ”が消えつつある理由の一つは、コメ作りの変化にある。特に、収穫と脱穀を一度に行い、籾だけを刈り取るコンバインや、籾を乾燥させる施設・カントリーエレベーターの存在が大きな理由だ。担当者によると、所有施設のカントリーエレベーターでは、1日に多い時で150〜160トンを受け入れ、年間の取扱量は約3000トンになる。稲のまま干すなら、ゆっくり乾かすことができる。籾だけになると早く乾かさないと品質が落ちる。その大量処理の仕組みが、”ハサイニュウ”の減少に影響したと言える。
ドローンが飛ぶ田んぼ
いま、コメ作りは新しい転換点にある。坂井市の田中さんは、国のスマート農業の実証プロジェクトに参加、わずか13人で、東京ドーム25個分にあたる120ヘクタールを管理している。最先端の機器導入に積極的で、約20キロを持ち上げるドローンが肥料をまき、自動操舵のコンバインや田植え機も活用している。「ぬかるんだ田んぼは疲れる。若い人に魅力を感じてもらうためにも負担を減らしたい」と田中さんは話す。米農家はこの15年で半分以下に減る一方で、大規模農家は増えている。時代にあわせた新しいコメ作りのスタイルが、いずれスタンダードになる。これまでの歴史もそうやって繰り返されてきたのだ。
景色を記録するということ
伊藤さんは、田んぼの景色が好きで学芸員になった。「昔の人がどうやっていたのかが分からなくなっていく。映像に残せてすごく嬉しい」。歴史を知ると物の見え方が変わり、世の中がもっと素敵になるという。
あなたの周りにも、消えゆく景色があるかもしれない。立ち止まって眺めてみてほしいジョイ!

