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新幹線開業の“にぎわい”及ばない福井駅周辺の商店街 出店希望者20人が“空き店舗ツアー”参加
北陸新幹線の福井県内開業からまもなく1年。福井駅前の再開発は着々と進められ、新しい施設の建設や解体工事が本格化したりと、街並みは様変わりしています。
現在の福井駅西口の三角地帯と呼ばれるA街区には、ホテルのコートヤード・バイマリオットや、1階にフードホール「ミニエ」などが入るフクマチブロックが2024年に開業。その西側のB街区には、1階に商業施設を伴う複合施設が2026年3月の開業を予定しています。
ハピリン南側の南通り地区の再開発では、北陸初進出のカンデオホテルズや商業施設を備えたマンションなどの開業が予定されていて、全体としては2029年の春に完了する見込みです。
一方で、新栄商店街や北ノ庄通りなどでは、かつてのにぎわいを取り戻すにはほど遠い状況です。こうした中、27日、福井商工会議所が駅周辺に出店を考えている事業者を対象に、空き店舗をめぐるツアーを開きました。
吉田圭吾アナウンサー:
「福井駅前南通りは、再開発で数年後には景色がガラッと変わります。現在も工事が続いていますが、一方で少し西側に行くと、大規模な再開発の対象ではないエリアもあります」
駅前南通りや電車通りから少し中に入ると、年季の入った建物や居抜きとなった店舗。そして、テナント募集の看板もちらほら…かつては、個人商店が集いにぎわいをみせていた新栄商店街も、人出は少なく空き店舗が目立ちます。
今回、福井商工会議所が開いた「福井駅前出店・創業ツアー」には、県内に住み駅周辺での出店を考えている約20人が参加しました。福井商工会議所は「北陸新幹線県内開業後、駅前ににぎわいを感じている人から出店を相談されることがちょくちょくあって開催した」と話します。
案内するのは「まちづくり福井」のまちなか再生マネージャーです。まちづくり福井によりますと、開業前に比べて駅周辺での出店の相談が1.5倍に増えたといいます。
ツアーでは、まちづくり福井が、県や市の支援で駅周辺店舗の改装費を補助する制度
「県都まちなか再生ファンド」を活用して新しく開業した店舗やリノベーションした店舗をめぐり、参加者が出店へのイメージを膨らませました。まちづくり福井によると「県都まちなか再生ファンド事業」補助金の制度で、認定されているのは2022年度から2025年1月までで約40件です。
2024年8月時点で、新栄商店街などが位置する中央1丁目のエリアの空き店舗は31店舗。空き店舗率は13.2%です。
新栄商店街などへの出店で考えられる課題としては▼地権者とテナントとの条件があわない▼地権者との連絡がつかない▼1店舗が小さいため、店舗を大きくするために
2店舗を改修したいが各地権者との交渉が必要になる、などがあるそうです。
まちづくり福井では「今日は課題となっている地権者とのやりとりなど具体的な話ができた。空き店舗0を目指してにぎわいを取り戻したい」としています。
まちづくり福井は、新栄商店街再生に向けた共同リノベーションのモデル街区「コノジナガヤ」を3月オープン予定で、まちづくり福井が地権者から借り上げた3棟を共同改修し、カフェやギャラリーなどテナントやシェアキッチンなどを設ける1棟に再整備する計画です。「県都まちなか再生ファンド」を活用して大規模再開発以外もにぎわいづくりを、と奮闘しています。
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