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【福井女子中学生殺人事件】事件捜査や裁判の現状・課題を「刑事訴訟法」が専門の大阪大学・水谷規男教授が解説
福井女子中学生殺人事件に関わる事件捜査と裁判の経過について、刑事訴訟法が専門の大阪大学の水谷規男教授に話を聞きました。
Q.事件の捜査は適正だったかー
「事件直後にあたる時刻に前川さんが、血が付いた服を着ているのを見たというような供述、第三者供述が出てきて、それで前川さんが犯人ではないかということで捜査が進められた。殺害そのものについて前川さんが関わっていたと言える証拠というのが、ほぼないというのがこの事件の特徴。証拠がしっかりとはない事件というのが特徴なのに、それでも起訴に踏み切ったというところが、捜査および検察官の問題点ではないか」
Q.再審公判後の展開はー
「公判が1回で結審になるということから推測できるのは、ほぼほぼ無罪判決が確実に出るだろうと思う。それで無罪判決が出たら、さすがに検察官も、それに対してもう1度、次は高裁だということもないだろう。だから、いま行われてる再審公判の裁判で決着をするのではないか」
Q.なぜ再審間開始までに時間がかかるのかー
「再審請求があったときに裁判所がどう関わるか、あるいは、検察官が再審請求に対してどう対応しなければいけないかなどは一切ルールがない。証拠開示も含めてルールがない。そもそも開示義務もない」
Q結局、救済が遅れるー
「再審をなるべく開始したくない裁判官たち、開始させたくない検察官たちが抵抗できないように制度をきちんと固めていくっていうことが必要なんだと思う」
誤った有罪判決を受けた人を救済するために再審制度があります。その中でルールを作るというのであれば、それに適したルールでなければいけません。誤判の救済のために使えるルールでなければいけないということになります。刑事訴訟法の見直しに向け、法務省では法制審議会の議論が始まろうとしています。
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