#28 “事業承継”で福井のチカラを守れ!|福井テレビ

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Fukuiクエスト 放送日
#28 “事業承継”で福井のチカラを守れ!
2025年11月15日(土)放送

日本の企業の実に99.7%を占めるのが中小企業と零細企業。日本の産業や雇用を支えています。

その一方で問題となっているのが「経営者の高齢化」。2024年時点で福井県の社長の平均年齢は60.7歳。31年連続で過去最高を更新しています。

経営者の高齢化に伴い深刻化しているのが「後継者問題」です。後継きがおらず、やむなく廃業というケースも増えています。

 

こうした課題を解決しようと国は、全国に「事業承継・引継ぎセンター」を開設。事業の承継がスムーズに進むようサポートしてます。

事業承継には、大きく3タイプあります。一つは、子どもや親戚が承継する「親族内承継」、二つ目は役員や社員が承継する「親族外承継」。そして、親族外承継の中でも、第三者が引き継ぐ「第三者承継」の3つです。

LABOでは、福井県内の事業承継の事例を調査することに。

 

やのぱん研究員が、向かったのは、なんと240年以上ものれんを守り続ける老舗餅店「四季の餅 あめこ」。現在は、今回のわがまちプレーヤー、渡辺淳ダニエルさんが、親族内承継で、13代目として店を受け継いでいます。

ダニエルさんは、12代目の父・岳史さんとアメリカ人の母の間に生まれ、小学校時代は日本で、中高生時代はアメリカで過ごしていました。その後、父のルーツを忘れないようにと、日本の大学に進学し、そのまま外資系ホテルに就職。本社で飲食部門のマネジメントをしていました。

 

その後、コロナ禍に巻き込まれることになるダニエルさんが、「自分で何かをなしえたい」と考えていたところに、父親から「家業をつがないか?」との誘い。

「あめこ餅」を継ぐことを決意します。

 

 

 

その根底には、11代目で祖父の佳男さんの仕事の臨む姿勢と、銀行マンから餅店を継いだ父・岳史さんの姿がありました。

2年間の修行を終え、店を継いだダニエルさんは、240年間受け継がれてきた技術と精神に、新しい感性を加え、「13代目のあめこ餅」を形にしていきます。

 

 

例えば、カボチャとチョコレートを討加えた「パンプキン大福」や砕いたアーモンドを入れた抹茶餡を大福で包み、さらに抹茶パウダーを振りかけた「宇治抹茶アーモンド大福」などなど。和と洋がミックスされたこれまでにない新しいお餅ばかりです。

最後にダニエルさんが、パワーボールに込めた思いは、「Visual and execute」

思い描いたことを実行する。夢を実現するんだという意気込みを語ってくれました。

 

 

 

 

一方、福山研究員が訪ねたのは、福井を代表するショッピングモール「エルパ」。

テナントとして衣料品のショップを営むコサカ株式会社の森裕一社長が今回二人目のわがまちプレーヤーです。

 

 

 

森さんは、惜しまれつつも経営者やスタッフの高齢化により閉店した、ソースかつ丼の名店「レストランふくしん」を第三者承継で引き継ぎます。

これまで1度も飲食業に携わったことがない森さんですが、経営の多角化を考えていたところ、エルパの役員から「ふくしん」の事業承継を打診されます。

 

 

エルパは、フードコートをリニューアルする際、「ふくしんの味を残したい」と足しげく通いフードコートへの「ふくしん」を許してもらいます。

ふくしんの「新しい経営者」を探していた際、声をかけたのが、経営の多角化を考えていた「コサカ」だったのです。

 

 

第三者承継が決まると、店長を任されることになった森さんの息子・奨貴さんは、

前のオーナーや料理長から「一子相伝」ともいえる「ふくしんの味」を引き継ぎます。

そして2024年、フードコートがリニューアルオープン。以来、1年以上たった今も、名店のソースかつ丼を味わおうと行列が絶えません。

 

 

森社長は、「50年続いた名店の味を受け継いだことはプレッシャーだが、お客様が喜んでくれてうれしい」と話しています。

ふくしんを第三者承継した森社長は、すでに奨貴さんへの親族内承継に向け動き出しています。

最後に森親子がパワーボールにしたためた思いは、「歴史と伝統を守り、未来につなぐ!」 福山研究員の調査を機に思いを新たにしていました。

 

 

調査を終えた研究員が感じたことは、「廃業してしまうと、それまで培ってきた技術やノウハウが失われてしまうこと」。

福井の“チカラ”を守るためにも、事業承継を考えたら、福井県事業承継・引継ぎ支援センターや最寄りの自治体、商工団体、金融機関に相談してほしい」と呼び掛けていました。

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