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「とんでもない赤字」コメ作りやめる農家も JA福井県が概算金示せない中…ハナエチゼンの収穫始まる 「生産原価は2万2000円」農家が苦悩
この秋、新米がいくらになるのかを気にしているのは、コメを買う消費者だけではありません。福井県内のJAは、コメ農家に前払いする「概算金」をまだ示しておらず、農家も自分のコメがいくらになるのか分かっていません。そんな中、福井市内では4日、早くもハナエチゼンの収穫が始まりました。農家とJA、それぞれの事情を追いました。
◆「今年は1社も来ない」コメ農家
福井市では、ハナエチゼンが黄金色に実り、今シーズンの稲刈りが始まりました。
福井市のコメ農家・白井清志さんは、約50ヘクタールの田んぼで5つの品種を作っています。
「暑いけど、去年と同じぐらいやぞ。大丈夫や」
実ったコメが次々とタンクへ。出来はまずまずです。
ところが今年は、収穫初日の風景が違いました。
「去年は6社ぐらいトラックが並んだ。今年は1社も来ない。コメを売ってくれと1社も言うてこない」
「令和の米騒動」とも呼ばれたコメ不足の影響で、多くの集荷業者が農家に殺到した去年から一転、今年は静かな収穫初日を迎えています。
◆「とんでもない赤字」コメ作りやめる人も
一方のJA福井県も、コメ農家に前払いする「概算金」をまだ示していません。白井さんは、民間の買い手の動きもJAが示す価格も見えない中で、収穫を進めています。
5月の田植えから数カ月、白井さんの支出はすでに決まっています。白井さんが今年仕入れた肥料は総額900万円で去年の2倍です。 農機具を動かす燃料代も上がっています。
以前、白井さんは「コストが上がってコメの価格が下がるなら、農家はみんなやめますよ」と話していました。
その不安はいま、現実のものとなっています。
コメの買い取り価格について白井さんは「今年は1万6000円ぐらいと予想しているが、生産原価が2万2000円から3000円。とんでもない赤字なんで、今年で農家をやめるという人は出てきたね。もう政府には何の期待もできない、と。高市さん何を考えてるんか分からん。もう愛想尽かした」
黄金色に実った稲が一面に広がる秋の見慣れた光景は、当たり前ではなくなるかもしれません。
◆JA福井県は13日に概算金を審議
田島嘉晃アナウンサー:
「収穫は始まりましたが、農家の収入の目安となる概算金はまだ決まっていません。今年、農家にいくらを示すのか、JAは難しい判断を迫られています。
JA福井県によると、去年収穫したコメの約3分の1が卸売業者に引き渡されないまま倉庫に残っています。
多くは販売先が決まっていますが、コメの値上がりで消費が落ち、卸売業者への引き渡しが例年より遅れているということです。
JA福井県五連の宮田幸一会長は7月の定例会見で「いま、価格を決められるような状況ではない。コメが余っているので、今年はギリギリまで待って価格を決めていかざるを得ない」と話していました。
JA福井県は、8月13日の臨時理事会で今年の概算金を審議する方針です。
少しでも安く買いたい消費者に対し、生産を続けられる価格を求める農家。JAはその間で、概算金を決めることになります。
示される価格は今年の新米の店頭価格だけでなく、“コメどころ福井”の将来も左右することになります。
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