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「一期一会じゃなくて一期三会」 寝る場所も決めず県内17市町を歩く”微遍路” 地域の魅力に出会い、人のやさしさに触れる旅 福井

2026.10.12 19:30

9月末から県内17市町を歩いて巡る「微遍路」をしている男性がいます。
 
地域に短期間滞在し、その土地の暮らしを体験する「微住」を提唱している福井市出身の田中佑典さんです。
 
6年前に初挑戦した「微遍路」はこれで3度目。その旅に同行すると、人情あふれる出会いや発見がありました。
        

 

この日、坂井市三国町を歩いていたのは田中佑典さん、40歳です。

<田中さんとやりとり>
Q:「鞄には何が入っている?」
田中さん:「暮らしを担がなきゃいけないので、必要最低限の(生活用品)」
 
田中さんは「微住」という言葉を生み出した人物。地域に短期間滞在してその土地の暮らしを体験する旅の在り方を提唱し、魅力を発信しています。
 
地域の魅力を掘り下げようと、17市町を徒歩でめぐる「微遍路」に初めて挑戦したのは6年前です。
 
そして9月末、前回出会った人との縁をなぞるように「一期三会」をテーマに掲げて微遍路に再挑戦しました。

 

田中さん:
「道覚えていない。大体しか」
 
目指しているのは、6年前に出会った海女さんの家です。かすかな記憶と当時の写真を頼りに家を探します。
 
<海女さんと田中さん>
田中さん:「(家は)ここだここだ」
海女さん:「ここにおるわ。久しぶりやな。若くなったんでないか?」
田中さん:「あの時を思い出してきた。方言。安島弁を教えてもらった気がする。方言集」
海女さん:「今度はがんぺに来ればいい」
田中さん:「がんぺ?」
海女さん:「かに!がんぺ(かに)を食べにくればいい」
田中さん:「覚えていてくれてありがとうございます。お元気で、また来ます。よかった、会えて」
 
前回の旅がつないだ縁をかみしめる田中さんー

田中さん:
「歩くと普段の暮らしとか旅だと出会わない(人と)知り合って、微遍路が終わってからも会いに行き、出会いが特別だから仲も深まって。なんだこれ、すごい」
 
突然、道端に現れたお地蔵様に気が付き、思わず写真撮影をしていると…

<田中さんと地元の人のやりとり>
田中さん「こんにちは、いま福井県を徒歩で旅してて…」
地元の人:「お茶入れようか?この前、ポーランドの夫婦がきて、ここでお茶を飲んでいった」
 
声をかけてくれた人が抹茶を立ててもてなしてくれました。

<田中さんと地元の人のやりとり>
田中さん:「僕は5年前にこの旅をして県内17市町を歩いた。出会い直しということで、さっき海女さんに5年前にお世話になったので顔出して…」
地元の人:「おれは10年前に引っ越してきたけど、去年、3人の海女さんが亡くなった。仲間だった」
 
海女さんを供養しようと置いたのが、あのお地蔵様でした。
 
田中さん:
「一歩一歩歩いていきます。ありがとうございます。歩いていていろんな人から無心になるでしょと言われるが、逆で…。普段暮らしている方が寝る場所も決まっていて、いろんなことが決まっている。それをただこなしているだけ。意外と歩いている方が毎日何が起きるかわからないし、寝る場所も分かっていないし…。その場その場で変化に適応していかなければならない、無どころかすごい大変」

 

田中さんは、旅の工程を事前に詳しく決めていません。
 
宿泊先も、出会った人の家を紹介してもらうなどして縁を大切にしています。この取材中も、途中で宿泊先が決まりました。
 
田中さん】:
「うちどうぞって。やった!毎日寝床をみると今日も見つかってよかった。これで気持ちが楽になる」
 
と、ここで心強い助っ人が参入。田中さんの旅のアイテムであるTシャツが古くなったので、新しいものを作ろうと6年前の微遍路で一緒に歩いた仲間が駆けつけてくれました」
 
<田中さんと仲間のやりとり>
田中さん:「いいですね」
仲間:「いいやん」
田中さん:「おー、いい」
 
イラストデザインは田中さんが手がけました。
 
田中さんは、旅の途中、気になることを書き留めているといいます。

田中さん:
「書いておかないと忘れちゃうなと思って」

町は生きているー

田中さん:
「暮らしの中で変化がある時代の中で、5年前と今では人も町も生きているなと思う。改めて一期一会、出会いは尊い。一期三会はさらに価値がある」
 
新たなTシャツに着替えてご縁をたどります。

 

田中さん:
「どうもです」
 
再会したのは家庭用品店「たけのうち」の竹内さんです。
 
6年前の微遍路で初めて出会い、こんな約束を交わしていました。
 
田中さん:
「一期三会と書いてあるが、一期一会じゃなくて2回3回会うと、だんだん」
竹内さん:「もう一回来ないと」
田中さん:「確かに…」
 
それ以来度々訪れています。
 
田中さん:
「ここは久々な感じがしない。そのあと常連になった」

微遍路を通じて生まれた縁が絆へと深まっていました。

田中さん:
「ありがとうございました!福井もこんだけ歩けば全部知っているやろと言われるが、むしろわからないものが増えている。微遍路は続くよ、どこまでも」
 
田中さんの微遍路は11月3日まで続きます。
       

※田中さんの微遍路
9月26日に福井市を出発、奥越、永平寺、あわら市、坂井市、福井市を踏破し、これから嶺南に向かう

 

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