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江戸時代からの特産「東浦みかん」シカの食害でピンチ 収穫量少ない裏年に“追い打ち” 実りは20分の1の農園も 敦賀市東浦地区

2026.10.20 20:36

まもなく収穫の時期を迎える敦賀市東浦地区の特産「東浦みかん」。今年は実のつきが少ない「裏年」にあたりますが、シカによる食害も重なり、例年以上に厳しい状況になっているミカン園もあります。現状を取材しました。

 

シカの食害を受けた下野長兵衛みかん園

 

敦賀市北東に位置する東浦地区では、傾斜地を生かして江戸時代から「東浦みかん」を栽培しています。
  
そのうちの1つ敦賀市元比田にある観光みかん園では、例年なら収穫時期を迎えミカン狩り体験が始まる頃ですが、木には実がほとんどついていません。
 
下野長兵衛みかん園の下野浩稔さん:
「これなんか、葉っぱがなくて枯れ枝になっている。 シカの高さだと食べやすいんじゃないか」
  
ミカンは5月頃に花が咲き、その後、実を付けます。しかし、冬に餌を求めて山から下りてきたシカに葉を食べられたことで、春に咲く花も少なく、今年は実がほとんどつきませんでした。
 
元々、収穫量が少ない「裏年」にシカの食害が追い打ちをかけた形です。
  
「去年はこれら200本の木、全部にミカンがなっていた。こんなにならないのは初めて。豊作だった去年の20分の1、その前年の裏年の10分の1もあるかな…仕方ないですよね、これは」(下野さん)
 
こちらの園では今年、毎年やっていたミカン狩り体験は行わないとしています。

 

去年、被害を受けた園は電気柵を設置

 

JAによりますと、この地域に30あるミカン農家のうち、今年は去年の倍近くの10軒ほどからシカの食害などの相談が寄せられているということです。
  
一方、同じく元比田にある別の観光ミカン園は去年もシカの食害に遭いました。
  
今年は裏年にも関わらず、木にはあふれんばかりの実がなっています。

東浦みかん特産化組合の岡本幸男組合長によりますと「獣害対策として、電柵を全面に設置した影響で、今年はシカが全く入らなかった」といいます。
 
去年、シカの食害に遭ったことを受け、農園の周りを高さ1メートルほどの電気柵で完全に囲み、タイマーで夜間のみ電気を流してシカが近寄らないようにしています。
   
苦労する点について岡本さんは「電柵に草が引っかかると漏電して電圧が下がるので、そういう面で除草が大変」だと話します。
 
さらに冬場は、電線が雪に埋もれると漏電するおそれがあるため、雪への対策も欠かせないということです。
 

 

シカによる被害が急増

 

そもそも県内のシカによる農作物への被害はどうなっているのでしょうか。
  
県の資料によりますと、シカによる農作物の被害面積は年々増加傾向にあります。また、イノシシやサルなどほかの有害鳥獣による被害も含めた全体のうち半分以上をシカによる被害が占めているということです。
 
県鳥獣害対策室・藤田純也室長:
「一番(の要因)はシカの個体数が増えていること。ここ数年は冬も暖かく雪も積もらないのでシカが越冬し生き延びる確率が増えている。シカはだいたい1年で2割増えると言われていて、4~5年で倍ぐらいの数になる」
  
いまはオオカミのような天敵もいないことから、人間が捕獲するなどしなければ、シカの個体数は増え続けてしまうというのです。
  
「地道な取り組みだが、草刈りや傷んだものや出荷しない果物などを置きっぱなしにしないこと。それでも(シカが)出てきてしまった場合には柵で防ぐことになる」(藤田室長)
   
県では、どのような柵が有効かなど、具体的な対策について、県の鳥獣害対策コーディネーターが現場へ出向くなどしてアドバイスを行っているということです。
   
地域の特産品を守り、安定した生産につなげるために、被害を防ぐための地道な対策が求められています。

 

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