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AIが台風の進路を予測する時代 数式で厳密に解く気象庁に対し “過去の経験則”で読み取るAI 求められる情報の見極め方は
気象に関する様々な疑問に村田光広気象予報士が回答する「天気のギモン」のコーナー、今回のテーマは「AIが台風を予測する時代」です。

最近、報道でAIによる台風の進路予想を見かけるようになりました。
まずは台風31号の進路予想を見ていきます。非常に強い勢力で南鳥島近海を西寄りに進んでいて、この後発達して猛烈な勢力になります。週末から週明けは小笠原近海に進みそうです。

台風31号の今後の進路予測では、青い線はAIによるシミュレーションで、オレンジの線は気象庁や世界の気象機関のシミュレーションです。
AI予測では西寄りに進み北東へ向きを変える傾向となっていますが、気象庁予測は西に進むものもあれば、北東方向に向きを変えるものもあり、そのタイミングや位置に関しては違いがあります。

台風は甚大な被害をもたらします。そもそも気象庁の予測とAI予測は、何がどう違うのでしょうか。
まず、気象庁の予測は、大気の温度や気圧、風の向きなどを「物理方程式」という数式に当てはめ、スーパーコンピューターで未来の状態を計算します。いわば「大気の法則」に従います。
一方、AI予測は過去数十年の気象データを学習し、数式を解くというよりは「過去の似たような気圧配置や風のデータ」から台風がどのように進んだかというパターンを見つけ出し予測するのです。
数式で厳密に解くのが気象庁の予測、過去の経験則をパターンで読み取るのがAI予測なのです。

実は、直前の台風30号は当初、気象庁の予測とAI予測がはっきりと分かれていました。しかし結果的には実際の経路はAIの予測に近くなりました。
ただ、これは偶然です。AI予測は、いま現在の気圧や気温などの科学的根拠はありません。あくまでも過去の統計によるものです。対して気象予測は物理法則に基づいて計算されることが基本です。AI予測は、あくまでも参考情報としてください。
それぞれの特徴を理解した上で、情報を見極める必要があります。
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