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再審決定の前川彰司さん「絶望の向こう側に、希望の光」 袴田巌さん支援者集会で思いを語る【福井】
38年前の1986年、福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で殺人罪で服役し、2024年10月に再審開始が決定した前川彰司さんが24日、59年前に起きた静岡県の一家4人殺人事件の再審で無罪判決を得た袴田巌さんの自宅を訪れました。前川さんは袴田さんの姉・ひで子さんと面会し、自身の再審に向けた思いを語りました。
1月24日、袴田巌さんの姉・ひで子さんは、静岡県浜松市の自宅で前川彰司さんを笑顔で迎えました。前川さんとひで子さんは、これまでも支援団体の集会などで交流し、互いに励まし合ってきました。
前川さんは「ひで子さんがおっしゃっていた『袴田だけが勝てばいいと思っていない』という言葉を胸の中に留めて、僕もいま歩んでいる」と胸の内を明かすと、ひで子さんは前川さんに「久しぶりに会えて嬉しかったよ」と巌さんが被っていた青い帽子をプレゼントし、再審公判に向けて激励しました。
翌25日、袴田さんの無罪報告集会に招かれた前川さんは、袴田さんの支援者の前で思いを語りました。
再審を控える前川彰司さん:
「冤罪は無罪になれば終わるかというと必ずしもそうではない。1回疑われたら終生、十字架は背負わなければならない」
冤罪の恐怖を訴えた一方「絶望の向こう側に、希望の光が少なからず灯っている」と、再審に向けた前向きな気持ちも語りました。
「この先もっと良くなる。そうでなければ希望が持てない」と話す前川さんに、支援者は「1人ぼっちではないからね」と声を掛けました。
前川さんは「袴田事件が与えた影響は計り知れない。再審に勝利している先達がいるというのは、すごい希望。僕もついていかなければならない」と力を込めます。
前川さんの再審は3月に開かれ、即日結審します。
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