越前町樫津にある「craftman Daidai」は木製家具の工房です。製作しているのは中西朝一さん。「先祖代々受け継がれる家具作り」をコンセプトに、家庭で長い間使ってもらえるような家具を目指しています。こだわりは、無垢材を使っていること。

　中西さんは「無垢材は丈夫だし、木によって色や木目が違う。家になじむように、色や木目を生かした家具作りができれば」と思っているそうです。そんな中西さんが一番大切にしていることは「お客様に喜んでもらうこと」。

　お客様の思いや気持ち、家の雰囲気などに合わせた家具を製作しています。また、中西さんは家具だけでなく、メガネ置きやスマホケースなどの小物も木で製作しています。

　オススメは木製のかばん。「木目を見たり触ったりすると人は落ち着くといわれている。かばんにすれば常に木に触っていられる。木をもっと身近に感じて、木と共に歩いてほしい」と笑顔を見せます。

　中西さんが作るのは新しい家具だけではありません。使わなくなった桐ダンスを食器棚に生まれ変わらせるなど「リメイク家具」も手掛けています。

　傷や汚れはなるべくそのまま残すようにしているという中西さん。「傷や汚れは家具が持っている魅力だし、お客様にとっては思い出になる」といいます。

　お客様から「母や祖母が大事にしてきた桐ダンスをどうしても捨てられないが、今の家では使いづらい」という声を多く聞く中、「今のライフスタイルに合わせて少しカタチを変えることで、また使い続けてもらえるようにしたい」という中西さん。

　「ボクがやらないと捨てられる家具があるのではないかと思う。リメイク家具はボクが木工に携わる意味だと思うので、これからも続けていきたい」と意気込みます。