ニュース

LIVE NEWS

北陸新幹線の終着駅「敦賀」開業効果にびっくり 今後の課題、敦賀の役割とは?

北陸新幹線が福井県内に延伸し、試金石ともいえる開業後初の週末も終わりました。福井テレビでは新幹線の終着駅「敦賀駅」周辺の開業後の状況を取材しました。終着駅効果が感じられる敦賀から、現状を踏まえ今後必要なことは何かを考えます。
 
まず、敦賀駅周辺の観光客に話を聞きました。
 
3泊4日旅行の家族:
母:「初めて(福井に)来た、子供たちも大喜び。行先は気比神宮、朝倉氏遺跡」
子供:「横浜から来ました。(最大の目的地は)恐竜博物館」
 
東京から出張の人:
「仕事ですね。三大松原のひとつの気比の松原とか、赤レンガ倉庫、年縞博物館に行きたい」
 
次に、敦賀駅前の商店街で話を聞きました。
  
敦賀駅前商店街振興組合 河藤正樹理事長(創業88年の老舗土産店経営):
「人の流れは前代未聞で5倍から10倍だと思う」
  
飲食店では、「いきなり倍以上になった感じで 座敷まで一気に満席になってびっくりして圧倒されている」とうれしい悲鳴です。
   
また、市内周遊バスはこれまでにない利用率で、市内の観光地の入り込み数は軒並み平年を大幅に上回っています。新幹線開業と同時に、特急の乗り換え駅ともなった敦賀駅は新たに交通の結節点となりました。不便との声の一方で、乗り換えを機に敦賀に降り立つ人が多くみられました。
   
大阪から来た社会人4人組: 
「金沢に旅行に行く時に、福井に一回降りてみたくて。乗り換えがなかったら降りないかな」
  
一行は、旅の中継地・敦賀で半日観光。気比の松原、赤レンガ倉庫、回転ずしが目的です。観光を終えると、「結構回るところがあり、歴史が感じられる街でした」「敦賀は何もない印象があったが、自然と文化が融合したいい街と分かった」「こんなに良い所があるのになかなか伝わっていない」などと話していました。
 
敦賀には、福井県の西の玄関口として観光客をもてなし、次にその先の地域に導くことが求められます。気比神宮の門前の商店街では、参拝客を商店街に引き込むことが長年の課題でした。土日祝日はキッチンカーを出して、観光客を誘導します。また、人目を引くよう各店舗の提灯を集め、飾りました。
 
神楽一丁目商店街 中山喜美子理事長: 
「気比神宮から近いので何だろうと入ってきてもらい、写真を撮ってもらう。気比神宮に来た人に、商店街に足を踏みいれてもらうスポットを作った」
  
さらに、観光客ニーズにも対応し、魚を扱う店もオープンしました。
 
中山さんは「観光で来る方の一番の質問は『魚どこで食べられるか』『どこで買えるか』ということ。神楽一丁目ですぐに買える店がなかったので」と話します。次に繋げるには、観光客に、まちを歩いて新たな発見や出会いをして貰うことが大切と考えています。
 
一方で、敦賀以西の嶺南の主な観光地は、一様に「県外客は増えた」としつつ、「開業効果はいまひとつ」「週末は2~3割増」等と手ごたえはまちまちです。
  
このうち若狭町の熊川宿では―
  
若狭熊川宿まちづくり特別委 宮本哲男会長:
「いままで直接(東京から)来る人は少なかったが、やっぱり効果が大きい。敦賀を十分楽しんで頂くことが大事。そして、敦賀よりもう一歩、足を延ばして頂くことで認知度を上げたい」
   
国は、北陸新幹線を小浜や京都を通り新大阪まで伸ばす計画ですが、全線開業は2046年と想定。約20年、またはそれ以上かかるとされています。その間、敦賀を終着駅に、新幹線開業の経済効果をどう波及させるか大きな課題です。
  
神楽一丁目商店街 中山喜美子理事長:
「昔から人が交流している場所で、そういう場所」
  
天清 西島由佳里さん:
「敦賀が終着駅ということはすべての町への始発駅ということ。観光客と直接触れ合うので観光案内やおすすめの場所を市内だけでなく広げてお伝えできれば」 
   
敦賀駅まで開業したいま、その効果を広く浸透させる取り組みをどう講じるか、重要な課題であり、これからが正念場です。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
PAGE TOP