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福井と長野をつなぐ絶品アップルパイ こだわりのリンゴに寄せるシェフの思い  

北陸新幹線で結ばれた福井県と長野県。実は新幹線で繋がる前から福井県内で人気の洋菓子が、長野と深い縁がありました。永平寺町の洋菓子店で連日行列ができるほどの人気商品「アップルパイ」。このパイに使われているのが長野の99歳の農家が作るリンゴです。

こんがりと焼きあがったアップルパイ。これを目当てに店の外には行列ができていました。客の一人は「一度食べたら忘れられない。最低一時間以上は待った方がいいかなと思って、今日もそれぐらいを目標にして(来た)」と話します。

アップルパイを販売しているのは、永平寺門前の洋菓子店「アトリエ菓修」です。オープンと同時に、アップルパイが次々と売れていました。
  
作っているのはオーナーの奥河原修造さんです。20代のころ、フランスの5つ星ホテルやチョコレートショップで働いた経験がある名パティシエです。2011年、出身地の永平寺町で小さな店を開き、今も繁盛しています。人気のアップルパイの美味しさの秘密は「生地」と「りんごのコンポート」にあります。バターを包むようにして折り畳み、何回も伸ばしては折るを繰り返し生地を作ります。
 
奥河原さん:「薄い層が浮いてくるから口当たりがサクサクの軽い感じの生地に。これがこだわり」
 
生地に乗せる「リンゴのコンポート」は、甘味と酸味のバランスが考え抜かれています。
 
奥河原さん:「約50年前からお付き合いさせてもらっている長野県の高山村のリンゴ、紅玉リンゴですね。味が好みで、これは気に入ったと言って、そこからもうずっと使っています」
   
リンゴ畑が広がる高山村に、電動カートで畑にやってきたのは中村梅吉さん(99)。4月で100歳になります。奥河原さんに紅玉リンゴを提供している生産者です。戦地から帰り、昭和21年ごろから80年近くリンゴ栽培を続けてきました。
 
中村さん:「紅玉が好きなもんだから…赤くてきれいだから。紅玉の時期になると毎日紅玉見に行くのが楽しみ。リンゴは愛情をもってやらないといいもんになりません」
  
持参したアトリエ菓修のアップルパイを改めて中村さんに食べてもらうと「これはうまい。ありがたいね。ますます元気出して美味しいもんを作らなければ」と嬉しそうに話してくれました。
  
アトリエ菓修 奥河原さん:
「梅吉さんが紅玉のことなら任せてと言われた。それだけ手をかけているということ。できるだけあそこで作り続けてもらいたい」
 
昔ながらの信州リンゴを使った名パティシエの手による珠玉のアップルパイ。これからも多くの人を魅了しそうです。
   
奥河原さんによると、40年ほど前、パイには酸味のあるリンゴ・紅玉を探していて、青森から岐阜まで比べていた中で香りなどインパクトが大きかったということです。アップルパイは平日150個、休日300個が、早ければ開店後1、2時間で完売するそうです。

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