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低年齢は脳炎発症で死に至る恐れも 「はしか」の危険性と対策 国内でも感染者確認 

「健康のタネ」のコーナー。今回のテーマは「はしか」です。海外で流行が続く「はしか」は、2024年に入り国内でも感染者が確認されています。コロナ禍によるワクチン接種率の低下が要因の一つと言われていますが、改めて危険性や対策を県内の専門医に聞きました。
         
「はしか」はどのような感染症なのか、話を聞いたのは福井大学病院の大嶋勇成院長です。
   
福井大学病院・大嶋勇成院長:
「最初の症状は発熱、咳、鼻水といわゆる風邪症状。その症状が大体2~3日、長くて3~4日続き、それから一旦熱が下がる。治ったかなと思うとすぐ40度近くの高熱が出て、耳の後ろから顔に向けて発疹ができて、1~2日で全身に広がる」
   
また、頬の裏側にコプリック斑とよばれる白い斑点が出ることも特徴です。重篤化すると、肺炎や脳炎を起こすこともあります。低年齢の子供の場合、感染後、脳に麻疹ウイルスが潜伏し続け、数年後になって脳炎を起こし死に至る恐れもあるそうです。
   
さらに、はしかの恐ろしさは「感染力の強さ」にあります。
  
福井大学病院・大嶋勇成院長:
「感染力はトップクラス。周りがはしかにかかったことがないとか、ワクチンを打っていない人の中に感染者が出ると、16~20人近くが一気に感染してしまう。新型コロナだったら、大体2人か3人くらいなので、麻疹(はしか)の方がはるかに感染力が強い」
   
はしかの感染経路は、「接触」や「飛沫」に加えて「空気感染」も含まれます。そのため、普段使用しているマスクで防ぐことは難しく、予防にはワクチンの接種が重要だといいます。
  
福井大学病院・大嶋勇成院長:
「予防で1番大事なのはワクチン。はしかのワクチンは非常に有効性が高く、一旦打つとかなりの予防になる。確実に予防しようと思うと、2回打っておくことが大事なポイント」
  
日本では、2006年度から、1歳児と就学前1年間の2回、ワクチンの定期接種を行っていますが、実は近年、接種率が下がっています。大嶋院長は、コロナの影響による”医療機関の受診控え”を要因に上げます。その上で接種の重要性について「95%くらいの接種率を維持すると、その地域や集団では流行しないことが言える」とします。
     
2018年度の国内のワクチン接種状況を見ると、1期は全ての都道府県で接種率95%を上回っています。しかし2022年度では、95%以上であることを示す赤色が減っていることがわかります。県内も、1期の接種率は96.8%ですが、2期は92.1%と95%を下回っています。
 
福井大学病院・大嶋勇成院長:
「昔のように大流行することは、おそらくないが、ワクチンを打ってない集団の中に入り込んだ時に広がったらどうしようか、と考えておかなくてはいけない」
    
では万が一、はしか感染の疑いがある場合はどうすればいいのでしょうか。
  
大島院長は「もし(感染者に)接触したとわかれば、72時間以内であればワクチンを打つこと。72時間以内であれば軽症にできる」また「感染後6日までであれば、薬を注射することで重症化を予防できる」といいます。
   
福井大学病院・大嶋勇成院長:
「感染者が一人でたら大騒ぎになる。周りに感染を広げていないかチェックが必要で、可能性がある人は早く抑え込む対策が必要。はしかは本当にに大変。コロナ禍で予防接種をし損ねた人は、早く打っておいた方が良い」
    
感染が広がっている地域に旅行に行く人は、自分のワクチンの接種歴や感染歴などを
調べてみる必要がある。

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