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廃校の校舎を地域交流の場に 高齢化が進む福井市殿下地区でプロジェクト始動 「75万人の未来」 

福井テレビ報道キャンペーン 「75万人の未来」では今回、は福井市殿下(でんが)地区を取り上げます。
  
福井市西部の山間部にある殿下地区は、福井市内で最も高齢化率が高い地区です。2002年には41%でしたが、2024年には61%と、2割も増加しています。そんな殿下地区で新たなプロジェクトが動き出しました。
  
2024年3月、廃校となった殿下中学校で開かれたのは「開校式」です。使われなくなった校舎に、朝から多くの人が集まりました。開校式では、時間割に沿って幅広い年代の人たちが様々な授業を受けながら交流しました。
 
参加者:
「一緒にいた友達と会えるのを楽しみに来た」
「昭和27年に中学校を卒業した」
「同級生は46人もいた」
「戦争の時だからやんちゃだった」
「どこに行っても人がいっぱいいた」
「殿下地区は昔から団結すると力があるのが伝統」
 
殿下中学校の歴史は150年前にさかのぼります。1873年、西雲寺(さいうんじ)に教場が開設され、周辺地区の学校と統廃合を繰り返し、1947年に殿下中学校が開校。77年間で1400人余りの卒業生を送り出してきました。
  
殿下地区では中学校の廃校を受け、2023年7月、住民が中心となって地域の人との絆を保とうとプロジェクトを発足。中学校の廃校後、地域の未来を守るため住民が学校の新たな活用を始めました。第一弾の「開校式」には、卒業生や教職員など約340人が集いました。
   
参加者が白い用紙を持って校庭に移動していきます。決められた場所に整列し、みんなで作っていたのは「デンガ」の人文字です。息もぴったりの出来栄えです。
 
卒業生:
「学校が集まりの場になっている。人が少なくなるとなかなか学校には来ないが、イベントごとに地域の人が集まるのはありがたい」
 
元教員:
「本当に地区の仲がいい。(中学校が)なくなるのは寂しいが、仲間に会えてよかった」
 
卒業生:
「本当にきてよかった。きょうはなんとなく殿下地区のみんなが大きな家族みたいな感じ」
 
廃校は中学校だけではありません。実は、殿下小学校も在校生が一人になり、再来年に休校が予定されています。唯一の小学生がイベントを通して感じていることはー

殿下小学校の5年生:
「地区の人に見守られていると思う」
 
イベント事務局長・護城一哉(ごじょうかずや)さん:
「全国に散らばっている多くの卒業生や教職員の力を借りながら、一緒に新しい学校を開いていきたい。子供たちへ殿下地区を渡していきたい」

殿下地区では、今後も記念誌の発行やイベントの開催を予定しています。

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