鯖江市に、手のひらに乗るサイズの人形を作り続ける男性がいます。人形作家のかとうかずおさんです。旅先の陶器店で出会った紙粘土の人形。おもしろいと思い買って帰り、真似をして作ってみたことがきっかけで人形づくりを始めました。

工法は独学です。肌色の粘土で人の形を作り、削って磨いて、服を着せていきます。一番難しいのは、人形に表情と動きを出していくことだと言います。

そんなかとうさんが生み出すのは、日常のワンシーンを切りとったような世界です。「作りやすいのは自分自身なので、まずは自分を人形で表現した。それから、やんちゃな子などになりきって、その人の動きや性格を原点に考えて作っている」と言います。

「人が好きだからこそ、人形にその思いを込めている」と語るかとうさん。ただ、自分が作った人形は動かないことが残念だとも。

「今後は動く人形ができないかと思っている。人形を使ったアニメーション映画を手作りしたい」と大きな夢を抱いています。