おおい町名田庄地区に名田庄城と呼ばれる城があります。

実はこの城は民家で、家主ならぬ城主は、渡邊敢太（わたなべ かんた）さんという青年です。

渡邊さんは、地域おこし協力隊の隊員として大阪府からおおい町へ移住し、町の情報発信に携わっていました。

アパート暮らしをしていたところ、住民から「城に住まないか」と声をかけられました。

その城こそが、20年以上空き家になっていた「名田庄城」です。

渡邊さんは、「地域のために空き家問題を解決したい」と移り住むことにしますが、「城に住む若者がいる」とおおい町が注目されればと思ったことも、引っ越しを決めた理由のひとつです。

渡邊さんの名刺には「城主」と記されています。

これも、おおい町に話題を集める工夫です。

渡邊さんが城に住むさらにもう一つの理由が、2022年おおい町にオープンした複合施設「SEE SEA PARK」の存在です。

渡邊さんは、協力隊員として設計やコンセプト設定など「SEE SEA PARK」の開発業務に携わっていましたが、オープンは3年の任期の後。

「オープン前に他の地域に行くことは嫌だし、地域の人もよくしてくれるので、おおい町に住み続けたい」と城暮らしを続けています。

現在、まちづくり会社に就職し、SEE SEA PARKの業務に携わる渡邊さん。

「自分が城に住むことでおおい町に興味を持ってほしい。また、SEE SEA PARKに、おおい町に、大勢の人が来てほしい。いろんなSNSで町の魅力を発信していきたい」と話しています。