美浜町郷市にある「己書（おのれしょ） 若狭ひだまり道場」は、松井由起子さんが師範を務める己書の教室です。

己書とは、筆ペン一本で文字をアートのように書くもの。

書き順などにとらわれず思うままに“描く”ことで、その人なりのオンリーワンの字を書いていきます。

実は松井さんは、元々字や絵が苦手でコンプレックスがあったといいます。

「己書の体験をしてみたら、描いている間ずっと集中できた。その集中できる時間がすごく気持ちよくてハマってしまった」と松井さんは言います。

その後、できあがった作品を部屋に飾っていたところ、遊びに来た友人に「教えてほしい」と頼まれ、教室を開くことになりました。

それまで風景画や龍の絵などを題材とした己書は苦手で、積極的には描いていなかった松井さんですが、師範の資格を取り、教える立場となった今、苦手なものにも挑戦せざるを得ない状況に。

様々な先生のもとに通うなどして学び、それを生徒たちに教えています。

「苦手な私でもできるという姿を見せることで、コンプレックスがある人たちの励みになるのならやろうと思った」と語る松井さん。

「“描くことは楽しい”と伝えていくことが目標」とさらに意欲を高めています。