小浜市下田にある「コミュニティカフェ金四郎」。

国の登録有形文化財に指定される旧中名田郵便局の建物をリノベーションしたカフェです。

このカフェを営んでいるのは、吉村順子さん。

実家の敷地内にあった郵便局舎を相続しました。

昔から中名田郵便局舎に思い入れがあったという吉村さん。

「古い建物は壊してしまったら元に戻らない。後の世に残していかないと」と思っていたそうです。

中名田地区は、小浜市の中でも南の山間にある地域。

娯楽や心ときめく場所が少ないと感じていた吉村さんは「郵便局舎を地域に住む人が集える場所にしたい」と考え、カフェにすることを決めました。

かつての趣を残す店内には、子どもたちが通いやすいように雑貨や駄菓子も置いてあります。

地域外から来た人には「非日常的な空間だね」と言われるそうですが、この地区に住んでいる子どもたちにとっては、新しい日常的な空間。

学校帰りに宿題をしたり駄菓子を食べたり、おしゃべりをしたり…子どもたちが楽しめる場所です。

また高齢者からは郵便局舎時代の思い出話を聞くこともあり、「昔の記憶をこの建物が呼び覚ましている。古い建物が持つ力」と感じています。

吉村さんは「私たちが使っているものは前の世代が残してくれたもの。私たちの世代も次の世に何かを残していきたい。それを受け継いだ次の世代がさらに次の世代に…と繋ぐ役割を金四郎が果たしていきたい」と語ります。