味わいのある文字で書かれ、温かみのある「己書（おのれしょ）」。

　己書とは書き方にルールはなく、心のままに筆を動かす書で、名古屋発祥の新ジャンルの書です。道具も筆ペン1本あればできる気軽なものです。

　教えてくれたのは、県内で己書を教えている円間一樹さん。この書の魅力にどっぷりはまり、福井県の師範、第1号となった人です。

　己書の魅力はなんといっても書いていて楽しい事。書けた時の喜びは大きく、ワクワクしてしまうと円間さんはいいます。

　己書をSNSで知った円間さんは、石川県で開催された講座を受け、その時の書けた達成感で一気にのめり込みます。

ちょうど講座を受けた頃、円間さん自身がガンになり「好きなことを極めたい」と考えるようになりました。またその頃、福井県には師範がいなかったことにも後押しされ、師範になることを目指しました。

3年前に師範となった現在、県内で己書を広めるために講座を開いています。

生徒が喜んでくれるのが一番うれしい、己書のワクワクする楽しさを多くの人に知ってほしいとのだといいます。

講座中に「できたね」「やったね」と褒めると生徒は喜んでくれます。自由に書く、楽しんでやることを伝えて、ワクワクや嬉しさ、できたという達成感をもっと多くの方にわかってもらいたいと考えています。