番組紹介
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統合失調症について
2018.12.24(月)放送
今日のドクター
日本精神神経学会 専門医
水野 智之 先生
病気説明
統合失調症というのは一般的に幻覚や妄想と言った症状があるとされている精神疾患で、統計的には100人に1人くらいが発症すると言われています。就学から社会に出て就労に移るなど環境が大きく変わる10代後半から30代に発症することが多いとされています。
遺伝や脳内のドーパミンというホルモンバランスの不均衡などが言われていますが、まだほとんど原因がわかっていないのが現状です。一般的には大きなストレスがかかって発症するのではないかと考えられています。統合失調症には陽性症状という、いわゆる目立つ症状として、幻聴、幻視、妄想などの症状があります。また陰性症状という目立ちにくい症状として、喜怒哀楽の表現が乏しくなる感情平板化や意欲が出にくくなったり、自閉傾向といって自宅に引きこもりがちになることがあります。こういった自覚症状と医師が問診で判断するさまざまな症状を診断基準と照らし合わせて診断をします。思い当たる症状があって、生活する上で困る場合には、精神科医師にご相談下さい。
意外と知らない?対処法
- 統合失調症は治ります
- 統合失調症は日常生活を大きな不便なく過ごせること、症状をうまくコントロール出来ることが、その方にとって『治った』といえる状態だと思います。ですから、統合失調症は治ると思っていただきたいと思います。統合失調症は『前兆期』『急性期』『回復期』『安定期』と進んでいき、1年くらいで治る方も多いですから、あせらずにゆっくりと治療をしていただきたいと思います。自立支援制度や障害年金、訪問看護などのいろいろなサポートがありますし、そういった制度を利用しながら症状をうまくコントロールして、やまいとうまく付き合っていただきたいと思います。
- 状態が悪いときは再診しましょう
- 統合失調症の治療には抗精神病薬という薬が使われます。このおくすりは症状をコントロールするのに非常に有用ですので、いま飲まれている方、これから飲むことになられる方も、医師の指示のもと用法・用量を守ってお飲みいただければと思います。普段の生活でも、しっかり睡眠を取ること、規則正しい生活を送ること、無理をしないこと、あせらず心にゆとりをもつことを心がけて、症状をうまくコントロールしてください。
- まとめ
- 統合失調症は周りの家族や友人など近しい方の病いへの理解がすごく大事です。症状を良くする為には『あせりは大敵』です。なんとかしようと無理をするのではなく、症状はいずれ良くなっていきますから、ゆっくり焦らず治療に取り組んでいただきたいと思います。
過去の放送
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