番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

高齢者の虚弱状態、フレイルの予防

今日のドクター

日本プライマリケア連合学会認定専門医
楠川 加津子 先生

病気説明

虚弱高齢者を指す『フレイル』という言葉はあまり聞いたことが無いかもしれませんが、要介護状態には至っていないがその危険にある状態の事なんです。フレイルには筋肉の衰えと言った身体的な問題だけでは無く、うつや認知症と言った精神的な問題、人とのつながりが減ったりする事による社会的問題も含まれています。放っておくと介護状態になってしまいますし、フレイルの状態に適切に介入することで、介護状態になってしまう方を少しでも減らしたいと私たちは思っています。

意外と知らない?対処法
フレイルは予防出来ます
フレイルは予防をして、健康寿命を伸ばすことにつなげて欲しいと思います。フレイルの予防には、適度な運動はもちろんのことですが、高齢者の体力が落ちるきっかけとして感染症、なかでも肺炎などがあります。インフルエンザや肺炎球菌のワクチンを受けて、感染症予防にも努めてほしいと思います。また、高齢の方はお薬を多く服用している場合もあります。特に睡眠薬は転倒のリスクも増えますから、お薬の見直しというのも、医師に相談して欲しいと思います。
フレイルは治療も出来ます
フレイルの状態になっても、治療をする事で、フレイルの進行を緩やかにさせることが出来ます。フレイルの進行を改善するためには机や椅子の背もたれを持った簡単なスクワットといった、軽いレジスタンス運動をするのがオススメです。歩く、階段の上り下りなど日常動作もいい運動になります。部屋の段差をなくす、ヒールなどのない接地面積の広いくつを履く、部屋を明るくするなど環境因子の改善なども有効かと思います。フレイルになると、筋力や体力の低下から、外に出かけなくなり、人と接する機会も減って、さらに筋力が低下する、といった悪循環になってしまいますから、フレイルの予防や改善に努めて、健康寿命を伸ばすようにして欲しいと思います。
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