番組紹介
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パニック障害について
2019.02.25(月)放送
今日のドクター
日本精神神経学会 専門医
上野 幹二 先生
病気説明
地震や火事といった事で人はパニックになることがありますが、パニック障害では、突然何の前触れもなくパニックに陥り、胸がドキドキしたり、息が苦しくなったり、冷や汗が出たりといったパニック発作が起こります。それが『繰り返し起こる状態』をパニック障害といいます。100人に数人がかかると言われており、決して稀な病気ではなく、一般的に20~30代の女性に発症する事が多い病気です。
パニック障害の患者さんは『予期不安』といって『発作がまた起きるんじゃないか…』という不安が常につきまとうようになります。また、この予期不安が強くなると『広場恐怖』といって発作が起きたときにすぐに逃げ出せない場所や状況が怖くなり、そういった場所や状況を避けようとする為、次第に日常生活に支障をきたすようになります。電車やバス、飛行機などの公共機関やエレベーターに乗れなくなったり、トンネルや高速道路、人混みを避けるようになったり、スーパーのレジに並べなくなったり、美容室にいけなくなったりする事もあります。また、胸がドキドキしたり息が苦しくなったりする症状から心臓や呼吸器などの病気を疑い内科を受診されますが、異常が見つからないという特徴もある病気です。
意外と知らない?対処法
- パニック障害は治ります
- パニック障害は、きちんと治療をすれば、必ず良くなる病気です。パニック障害は脳の中のホルモンバランスの乱れによって、脳が誤作動を起こしたような状態と考えられますので、パニック障害の治療には脳の中のホルモンバランスを整える働きのある、うつの薬を使います。薬は飲み始めてから効果が現れるまでに1〜2ヶ月はかかりますので、根気よく飲み続けて欲しいですし、薬の効果が実感できたら、家族のサポートなどを受けながら、それまで避けていた場所や状況にチャレンジしていく『認知行動療法』も行っていきます。チャレンジを続けていけば必ず慣れていきますから、決して無理をせず、ゆっくりと治療をしていって欲しいと思います。
- 生活習慣にも気をつけましょう
- 日常生活でのストレスというのがパニック発作につながりますので、睡眠不足などの身体的ストレスを避けるためにも規則正しい生活を送ることが大切です。また、カフェインやアルコール、ニコチンなどもパニック発作を起こしやすくすると言われているので、控えるようにして欲しいですし、パニック発作が起こってしまったら呼吸が浅く過呼吸になることが多いので、ゆっくりとおなかで呼吸をすると良いと思います。パニック発作そのものは必ず治まりますから、安心して治まるのを待ちましょう。
- まとめ
- ご家族にはパニック障害という病気を理解すること、つまり決して気の持ちようで起こっているのでは無いということを理解して、温かく見守ってあげてほしいですし、ご自身も自覚するような症状があれば、早めの受診が早い回復につながりますから医師に相談をしてほしいと思います。
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