番組紹介
- あなたの体のお悩み解決します。
糖尿病対策(1)
2014.11.06(木)放送
今日のドクター
福井県糖尿病対策推進会議幹事
番度行弘 先生
病気説明
糖尿病とは血糖値を下げる唯一のホルモン“インスリン”の働きが足りなくなり、正常では100前後に収まらなくてはならない血糖値が食後を中心に200以上になり続ける「慢性の高血糖病」です。
高血糖のままで放置しますと細い血管が知らない間にボロボロになり、神経や目、腎臓の合併症を引き起こし、最悪の場合には足の切断や失明、血液透析に至ります。
また、同時に動脈硬化も早いスピードで進み、心筋梗塞や脳梗塞の危険も2-3倍以上に増えてしまいます。
一方、メタボはお腹の中や肝臓に、いわゆる内臓脂肪が溜まりすぎた状態で高血圧や動脈硬化が進むだけでなく糖尿病にも大変なりやすい病態です。いずれにしましても糖尿病の管理がうまくいきませんと平均寿命が10年以上も短くなるばかりか、健康寿命はさらに短くなりますので、そうならないためにも日頃から食生活や運動に関して、しっかりと対策をとるようにしてください。
意外と知らない?対処法
- 体重の変化だけでは分からない場合があります
- 体の筋肉が減っている状態を『筋肉の減少(サルコペニア)』と呼びます。特に筋肉が減って、反対に脂肪が増加し筋肉の中にまで脂肪が入り込んだ状態のいわゆる『サルコペニア肥満』は一見して体形は変わりにくく、知らない間にメタボが進行してしまいます。
「サルコペニア肥満」になりますと、インスリンの働きを弱める脂肪が増え、反対にインスリンの効果を高める筋肉が減ってしまいますので、特に女性の方では高血圧になる危険性が2~3倍、糖尿病になる危険性も実に20倍近くになると言われています。
「サルコペニア肥満」を早期に発見するためには、体脂肪や筋力測定を定期的に行うことが大切です。体重の変化だけでは分からないサルコペニア肥満に十分気を付けてください。 - 有酸素運動と筋肉トレーニングが効果的です
- 以前から早歩きやジョキングなどの有酸素運動は内臓脂肪を燃焼し、メタボや糖尿病の予防に良いとされてきましたが、4年ほど前に、体脂肪を減らすには筋トレの方が効果的との発表がありました。この発表では糖尿病やメタボの方、約150名を歩行やジョキングなどの有酸素運動を行うグループと、ベンチプレスやレッグプレスなどの筋トレ運動を行うグループに分けて比較したところ、血糖値は有酸素運動グループでよく下がっていましたが、反対に体脂肪は筋トレグループでよく下がっていたと言うことです。
ただし、有酸素運動も筋トレも同時に行ったグループでは血糖値も体脂肪も共に良く下がっていましたので、結論として有酸素運動だけでなく、筋トレも加えると糖尿病やメタボの予防に最適ということになります。 - まとめ
- 糖尿病は高血糖の状態が続き様々な合併症を引き起こしてしまう本当に怖い病気です。日頃の食生活の乱れや運動不足に十分注意し、しっかりと糖尿病を予防するように心がけてください。
過去の放送
- 2016年01月25日(月)放送シーズン到来!花粉症対策
- 2016年01月11日(月)放送突然の頭痛に注意!くも膜下出血について
- 2015年12月14日(月)放送つらい冷え性を対策
- 2015年12月07日(月)放送忘年会シーズン到来!お酒の飲み方について
- 2015年11月23日(月)放送これからの時期注意したい!RSウイルス感染症について
- 2015年11月16日(月)放送胸焼けの原因かも?逆流性食道炎について
- 2015年11月02日(月)放送気をつけよう!糖尿病の対策について
- 2015年10月26日(月)放送インフルエンザ対策
- 2015年10月12日(月)放送よく聞く皮膚の病気、アトピー性皮膚炎について
- 2015年10月05日(月)放送急に眠くなる!「ナルコレプシー」という病気について
- 2015年09月21日(月)放送多くの子どもに発症する急性中耳炎について
- 2015年09月14日(月)放送女性を悩ませる更年期障害について
- 2015年08月10日(月)放送肺の生活習慣病!COPDという病気について
- 2015年08月03日(月)放送女性に多いホルモンの減少を引き起こす甲状腺機能低下症
- 2015年07月13日(月)放送熱中症の対策
- 2015年06月29日(月)放送長引く咳には要注意!ぜんそくについて
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