福井県皮膚科医会
知野剛直先生

粉瘤とは、表皮または毛穴が詰まる事で、表皮の成分が溜まり腫瘤という、いわゆる『出来物』や『こぶ』といったものが出来る病気の事です。毛穴があるところなら全身どこにでも出来る可能性がありますが、主に背中や顔などに出来やすく、皮膚がドーム状に盛り上がったところに1センチ～2センチほどの皮下腫瘤が出来、化膿して痛みを伴うことがあります。中から膿が出てくる事もありますので、気になる症状がある方は医師に相談するようにして下さい。

薬では完治する事が出来ません

粉瘤は塗り薬で完全に治すことは出来ません。細菌に感染して化膿している場合などは、抗生物質が含まれる塗り薬で炎症を抑えることは出来ますが、炎症が治まってこぶが小さくなっても、また炎症を起こして大きくなることがあります。粉瘤は皮膚の表面では小さなこぶに見えても皮膚の中には表皮の成分が溜まり、袋状になっています。完治を目指すのであれば手術によって中の袋を取り除く事になります。

生活に支障が無ければ問題ありません

粉瘤は通常、炎症を起こして痛みを生じていない場合など、生活に支障が出ていなければ放置しても良いとされています。ただし、粉瘤が大きい場合は手術が必要になる場合もありますし。手術では皮膚の深いところまで切って袋を取り出す必要が出てくる場合があります。粉瘤は出来やすい人と出来にくい人がありますが、炎症を放置すると痛みが出ることもありますので、気になる症状がある場合、手術が必要か判断する為にも医師に相談してください。

まとめ

粉瘤はほとんどの人がどこかに持っている病気ですが、極稀に細胞が変異して『がん』になる場合もありますので、気になる症状がある方は皮膚科で相談すると良いでしょう。