番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

COPDについて

今日のドクター

日本呼吸器学会専門医・指導医
白﨑 浩樹 先生

病気説明

COPDとは慢性閉塞性肺疾患という病気の英語の頭文字ですが、肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた病気の総称になります。タバコの煙などの有害物質を長期に渡って吸い込むことで生じる病気で、息切れや、慢性のせき、たん、などの症状があり、重症になると息苦しさで日常生活にも支障が出る病気です。
COPDの原因は、そのほとんどがタバコです。タバコの煙を吸い込むことで気管支に炎症が起きて細くなり空気の流れが低下します。また気管支の先にある肺胞が破壊されて酸素の取り込みも低下します。COPDは10年20年という長い年月をかけてゆっくりと進行していきますし、検査をしなければ早期には気づきにくい病気です。進行すると、かぜなどの感染をきっかけに急激に症状が悪化する事があります。タバコはCOPDだけでは無く『がん』などいろいろな病気の原因になってしまいますから、タバコを吸っている方は早く禁煙をするようにして欲しいと思います。

意外と知らない?対処法
病院に来ない方が多いので気をつけましょう
COPDとして治療を受けている患者数はおよそ26万人ですが、実はこれは氷山の一角で、COPDと気づかずに治療を受けていない方は、およそ530万人いると言われていますから、90%以上の方が病院を受診していないことになります。COPDの診断はスパイロメトリーという簡単な肺活量の検査で出来ますし、息苦しさや、せき、たんという症状は歳のせいだと思って気づきにくいという事がありますから、自覚症状があったら一度検査を受けて欲しいと思います。
破壊されてしまった肺の構造は元には戻りません
喫煙によって破壊されてしまった肺の構造は、残念ながら今の医学を持ってしても、元通り健康な肺に戻すことは出来ません。肺の機能というのは年齢とともに下がって行きますが、タバコを吸っていると、早く下がってしまいます。禁煙をすることで緩やかな低下の状態に戻せますし、例えば45歳で禁煙した時と65歳で禁煙した時ではその後の肺の機能にかなり差が出てきてしまいますから、出来るだけ早く禁煙をするようにしてほしいと思います。
まとめ
COPDはあまり聞き慣れない病気かもしれませんが、気づかないうちに進んでいく病気ですし、病気の知識を持ち、早期発見・早期治療につなげることが大事だと言うことを忘れないで欲しいと思います。
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